尾張旭駅

尾張旭駅


愛知県尾張旭市に位置する名鉄瀬戸線の尾張旭駅(駅番号:ST15)は、地域の主要な交通拠点の一つです。駅の西方には瀬戸線の車両基地である尾張旭検車支区が隣接しており、この立地特性から、特に普通列車には当駅を始発・終着とする運用や、折り返し列車が多く設定されています。本記事では、この尾張旭駅と、隣接する尾張旭検車支区について詳しくご紹介します。

尾張旭駅の歴史は、1905年明治38年)4月2日に「新居駅」として開業したことから始まります。当時の所在地は東春日井郡新居村でした。その後、1922年大正11年)に「旭新居駅」と改称され、尾張旭市が誕生した翌年の1971年昭和46年)11月1日に現在の「尾張旭駅」となりました。開業当初の駅は地上駅で、現在地から約100メートルほど西寄りに位置していました。しかし、駅施設の近代化と利便性向上を図るため、1994年(平成6年)7月3日に現在の場所へ移転し、橋上駅舎を持つ駅へと生まれ変わりました。この移転時には、列車の折り返しに対応した線路も整備されています。駅には1984年昭和59年)から駅員が配置されるようになり、駅舎も同時期に改築されています。移転後には駅前広場が完成し、1995年(平成7年)には急行停車駅となりました。ICカード乗車券への対応も進み、トランパス利用を経て2011年(平成23年)からはmanacaが導入されています。バリアフリー化工事も2009年(平成21年)に完了し、エレベーターなどが整備されました。2024年令和6年)9月28日からは特殊勤務駅となり、駅員配置時間帯が設定されています。

現在の尾張旭駅は、島式2面3線のホームを持つ橋上駅舎を備えています。ホームの有効長は6両編成に対応した長さがあります。中央の1線は、主に大曽根・栄町方面からの折り返し列車が使用しており、その両側にホームが設けられています。この線路は尾張瀬戸方で行き止まりとなっていますが、全長としては4両編成2本分の留置が可能で、夜間には車両が留置されています。2番線ホームは降車専用として運用されており、隣接する1番線(尾張瀬戸方面)への乗り換えが同じホーム上でスムーズに行える構造となっています。駅員配置は限られた時間帯のみとなりますが、列車運行情報はLED表示器や自動放送で案内されます。

駅の利用状況については、市名を冠する駅ではありますが、隣接する三郷駅の方が乗降客数は若干多い傾向にあります。近年は一日平均乗降人員は概ね7,000人台で推移しています。

尾張旭検車支区


尾張旭検車支区は、尾張旭駅の西側に位置する、名鉄瀬戸線で唯一の車両基地です。ここでは瀬戸線を走る車両の日常的な検査や、より大規模な保守・検査(全般検査、重要部検査など)が行われています。この車両基地は、かつて喜多山駅に隣接していた喜多山検車区の老朽化と、喜多山駅周辺の高架化事業に伴い、その代替として新設されました。2006年(平成18年)に建設が始まり、2007年(平成19年)6月30日に供用を開始しています。開設当初は「尾張旭検車区」という名称でしたが、後に現在の名称に変更されました。

敷地内には検修棟や管理棟などが設けられ、検査線や留置線、洗浄線といった設備が配置されています。4両編成の車両を最大で9本収容・留置できる能力を持っています。大規模な検査で台車などを取り外す必要がある場合は、岡崎市の舞木検査場へ輸送して対応しています。

車両の塗装に関しては、環境配慮と将来的なステンレス車への統一を見据え、開設当初から揮発性の塗料設備はありませんでした。かつて在籍した普通鋼製車両に対しては水性塗料が使われていましたが、2012年(平成24年)に瀬戸線の全車両がステンレス鋼製となったため、現在塗装作業はほとんど行われていません。この敷地は、検車支区の本格稼働以前にも、新しい車両の搬入や旧型車両の解体に使われた実績があります。構内の車両入換作業には、アント工業製の車両移動機が使用されています。これは喜多山検車区時代に使用されていた電気機関車に代わるものです。

駅周辺


駅の周辺には、大学などの教育機関、尾張旭市役所をはじめとする公共施設、図書館や文化会館などの文化施設が集まっています。また、商業施設も複数あり、日々の生活に便利な環境です。周辺には瀬戸街道などの主要な道路が通じています。

バス路線


駅の北口と南口からはバスが運行されており、名鉄バスによる基幹バスや長久手方面への路線、尾張旭市営バス「あさぴー号」などが利用可能です。

隣の駅


名古屋鉄道 瀬戸線における当駅の隣の駅は以下の通りです。

急行(当駅以東各駅停車): 大森・金城学院前駅(ST12) - 尾張旭駅(ST15) - 三郷駅(ST16)
準急・普通: 旭前駅(ST14) - 尾張旭駅(ST15) - 三郷駅(ST16)

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