尾形俊太郎

尾形俊太郎の生涯と新選組での足跡

尾形俊太郎（おがた しゅんたろう）は、1839年6月7日に熊本藩領で生まれた新選組の隊士である。本姓は三嶋であり、尾形姓は新選組に入隊する際に先祖の武将の名に由来して名乗ったとされる。尾形は新選組の中で永倉新八と同年齢であり、様々な役割を担うことになる。

新選組入隊と活動

尾形俊太郎が新選組に入隊したのは1863年5月25日であり、その後の彼の活動は新選組の歴史の中でも重要な位置を占めている。同年6月には副長助勤をつとめ、八月十八日の政変にも関与したと考えられている。しかし、1864年6月に発生した池田屋事件には留守居役として不参加であった。その後、同年12月には長州征討を計画した行軍録において、五番組の組頭に就任している。

彼は新選組局長の近藤勇からの信頼が厚く、高かった評価を受けていた。1864年には江戸への隊士募集にも同行し、また1865年と1866年の長州出張も共に行った。慶応元年の4月には諸士取調役兼監察方および文学師範に任命され、文官としても頭角を現すようになった。

戦闘とその後の行方

1868年に勃発した鳥羽・伏見の戦いでは目付を務め、大阪に敗走後、江戸に帰還した。その後も会津へ向かう過程で甲州勝沼の戦いなどを経験し、8月21日の母成峠の戦いでは敗走した。彼の最後の記録は、会津若松城下の斉藤屋に宿泊した際のものである。尾形は、新選組の中で会津に同行した僅かな隊士の一人であったが、その後の消息は長らく不明とされている。

消息の謎

尾形俊太郎のその後に関する情報は多くの説があるが、確証をともなうものは存在しない。中島登は彼の行方を「不明」とし、横倉甚五郎は「会津に残った」との見解を示した。以下のような様々な伝説が残されている:

• - 会津に留まり生涯を全うした。
• - 仙台藩士と共に戦い、降伏し仙台に残った。
• - 故郷に帰り、剣術を教えた。
• - 東京で密偵として活動した後、消防署長に就任し殉職した。

こうした伝説の中には、新選組隊士であったことを話さず、ただ文書に「元壬生浪士」とのみ記されていたというエピソードも含まれる。2013年には、尾形の子孫から漢詩書が寄贈され、その解析によって彼の生没年や来歴が明らかになった。尾形は会津でしばらく生活した後、熊本に戻り、私塾を開いて1913年に75歳で亡くなったとされている。

尾形俊太郎を扱った作品

尾形の生涯や新選組に関する作品としては、以下の著作がある:

• - 『新撰組捕物帖－源さんの事件簿』 (秋山香乃, 河出書房新社)
• - 『新選組裏表録 地虫鳴く』 (木内昇, 集英社)
• - 『White Tiger～白虎隊西部開拓譚～』 (夏目義徳, 集英社)

尾形俊太郎の存在は新選組の歴史の中で色濃く描かれており、その後の謎に包まれた人生は今も多くの人々の関心を集めている。

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