尾白川

尾白川：霊峰と清流が織りなす、山梨の秘境

山梨県北杜市を流れる尾白川は、1985年（昭和60年）に名水百選に選定された一級河川です。甲斐駒ヶ岳の雄大な自然に抱かれ、古くから人々に親しまれてきました。その水質の良さ、そして神秘的な渓谷美は、多くの観光客を魅了し続けています。

神話と伝説が息づく川

尾白川の名前の由来は、古くから伝わる伝説に深く関わっています。白州の山中には、白と黒の尾を持つ神馬が住んでおり、その霊験は善と悪を明らかにすると伝えられています。この神馬が住む聖なる場所を源とする川として、尾白川と名付けられたと言われています。この伝説は、尾白川の清らかで神秘的な雰囲気をさらに際立たせています。

甲斐駒ヶ岳を源流とする渓谷美

尾白川は、甲斐駒ヶ岳の黒戸尾根ルート七丈小屋上流から流れ出します。北東の沢から始まる源流は、やがて鋸岳の稜線下の沢と合流し、壮大な尾白川渓谷を形成します。渓谷は、大小様々な滝や淵が点在し、変化に富んだ景観を見せています。特に見どころは、神蛇滝です。三段の滝壺を流れ落ちるその姿は、まさに自然が作り出した芸術品と言えるでしょう。

トレッキングコースと豊かな自然

尾白川渓谷には、約3時間の遊歩道が整備されており、気軽にトレッキングを楽しむことができます。遊歩道を歩けば、千ヶ淵、旭滝、百合ケ渕、不動滝など、様々な滝や淵を間近で観察することができます。豊かな自然に囲まれた遊歩道は、都会の喧騒を忘れさせてくれる癒やしの空間です。四季折々の変化も楽しむことができ、春の新緑、夏の緑葉、秋の紅葉、冬の静寂など、それぞれの季節で異なる魅力を見せてくれます。

アクセス

尾白川渓谷へのアクセスは比較的容易です。

鉄道: JR中央本線 長坂駅、小淵沢駅、日野春駅からタクシーで約30分
自家用車: 中央自動車道 須玉ICから約30分。渓谷入口には無料駐車場があります。

周辺には、宿泊施設や飲食店も充実しており、日帰りだけでなく、ゆっくりと滞在しながら尾白川渓谷を楽しむことも可能です。

尾白川とサントリー天然水

尾白川の水質の良さは、広く知られており、名水百選にも選ばれたことはその証です。その清らかな水は、サントリー天然水の源水としても利用されています。地元住民にとっても、かけがえのない貴重な資源であり、その保全に努める姿勢は、人々の生活と自然環境の共存を示しています。

尾白川渓谷は、自然の神秘と雄大なスケールを感じることができる、魅力あふれる場所です。甲斐駒ヶ岳の登山と組み合わせたり、渓谷散策のみで楽しむなど、様々な楽しみ方ができます。山梨を訪れた際は、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

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