屋外排泄

屋外排泄とは

屋外排泄とは、トイレがない場所で排泄をすることです。野外排泄とも呼ばれ、尿の場合は立ち小便、糞の場合は野糞などと呼ばれます。かつては、トイレが整備されていない時代や地域では、ごく自然な行為でした。しかし、公衆衛生や環境保護の観点から、多くの国で禁止されています。

一般的な状況

一般的に、屋外排泄は、以下のような状況で行われることが多いです。

トイレが近くになくて我慢できない時
羞恥心を抑えるため、人目につかない場所
ドライブ中の渋滞など、緊急時
登山やキャンプなど、トイレがない場所

また、子供のトイレトレーニングの一環で行わせることもあります。かつての日本では、庭で幼児に排尿させることは当たり前に行われていました。これは、布おむつの洗濯の手間を省くためでもありました。

地域性

屋外排泄に対する考え方は、国や地域によって異なります。多くの先進国では、都市部を中心に禁止されています。しかし、発展途上国では、トイレの普及が進んでおらず、屋外排泄が日常的に行われている地域もあります。

排泄物の処理

尿は液体で蒸発しやすく、跡が残りにくいことから、放置されることが多いです。一方、糞は固体で跡や臭いが残りやすく、処理されることが少ないです。

その他の側面

屋外排泄は、性的欲求を満たすためや、他者の羞恥心を煽る目的で行われることもあります。また、登山やハイキング、キャンプなどで、携帯トイレがない場合にやむを得ず行われることもあります。

世界の屋外排泄

屋外排泄の状況は、国や地域によって大きく異なります。以下にいくつかの例を挙げます。

中国: 子供の排泄には寛容な傾向があります。股割れズボンを履かせて、しゃがむだけで用を足せるようにしている地域もあります。
モンゴル: 遊牧民は、移動式住居（パオまたはゲル）に住んでおり、トイレがないため、大地に用を足しています。
インド: 宗教上の理由から、トイレを設けない家屋が多く、屋外排泄が日常的に行われています。世界最大の屋外排泄大国であり、都市部では衛生状況の悪化が深刻化しています。
ナイジェリア: 人口の約4分の1が屋外で用を足していると推計されています。政府は、屋外排便の撲滅キャンペーンを展開しています。

屋外排泄が禁止される場所

屋外排泄は、場所によっては強く禁止されています。特に、以下のような場所では、行ってはなりません。

神社、仏閣、墓地などの宗教施設
上水道の水源地
公園の砂場
高山

これらの場所は、神聖な場所である、公衆衛生上の問題がある、環境への負荷が大きい、などの理由から、屋外排泄が禁止されています。

日本の法規定

日本では、軽犯罪法で屋外排泄が禁止されています。同法第1条26号には、「街路又は公園その他公衆の集合する場所で、たんつばを吐き、または大小便をし、もしくはこれをさせた者」は拘留または科料に処すると定められています。また、場所によっては刑法で処罰されるケースもあります。

科学的な見地

「小便は樹木類の肥料になる」という説は誤りです。小便を肥料として利用するには、発酵させる必要があります。また、大便は肥料になりえますが、そのままでは効果が薄く、発酵させてから利用されてきました。

その他

昆虫採集家が、野糞をすることがあります。これは、動物の糞を好む昆虫を集めるためです。このような行為は「セルフトラップ」と呼ばれます。

脚注

排尿#野原などトイレがない場所
排便#道端などトイレ以外での排便
尿失禁、便失禁
伊沢正名 - 野糞を意識的に行っている写真家
SATO - 途上国のトイレ環境を改善するために考案された安価なプラスチック製トイレ（便器）
世界トイレの日

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