屯田防風林

屯田防風林：歴史と自然が息づく緑の回廊

屯田防風林は、北海道札幌市北区の屯田地区に位置し、屯田1条2丁目から5条12丁目にかけて広がる緑豊かな防風林です。この防風林は、明治時代に開拓に従事した屯田兵たちが、農作物を強風から守るために「コ」の字型に残した自然林の一辺を起源としています。新琴似屯田兵村と篠路屯田兵村の境界としての役割も担っていました。

風致地区としての指定と保全

1966年（昭和41年）には、両側の道路である「ポプラ通」を含めた、面積27.5ヘクタール、延長2.2キロメートルに及ぶ広大なエリアが風致地区に指定され、その景観と環境が保護されています。防風林の中には整備された散策路があり、市民や観光客が気軽に自然に触れ合える空間となっています。

貴重な植物の宝庫

屯田防風林は、現在の市街地ではなかなか見ることができない貴重な植物が数多く自生していることでも知られています。特に、オオウバユリ、エゾエンゴサク、ミヤマエンレイソウは保護区域が設けられ、特別な保護を受けています。これらの植物は、訪れる人々に季節ごとの美しい景観を提供し、自然観察の場としても重要な役割を果たしています。

文化的な価値

屯田防風林は、その歴史的、文化的価値が認められ、「さっぽろ・ふるさと文化百選」のNo.087に選定されています。また、北区歴史と文化の八十八選のうち「3.森と歴史の道〈屯田コース〉」に属する「45.屯田防風林」としても位置づけられています。さらに、「美しい日本の歩きたくなるみち500選」にも選ばれており、その美しい景観が広く評価されています。

訪れる人々への魅力

屯田防風林は、歴史的な背景と豊かな自然が調和した魅力的なスポットです。散策路を歩けば、都会の喧騒を忘れ、静かで穏やかな時間を過ごすことができます。また、珍しい植物を観察したり、四季折々の風景を楽しんだりと、自然を満喫することができます。地域住民にとっては、身近な自然に触れ合える貴重な場所であり、訪れる人々にとっては、札幌の歴史と文化に触れることができる魅力的な観光スポットとなっています。

参考文献

* 片岡秀郎『札幌歴史散歩』ヒルハーフ総合研究所、2012年7月14日。ISBN 978-4-9906400-0-2。

もう一度検索