山上城

山上城の概説

山上城（やまかみじょう）は、群馬県桐生市新里町に存在した城で、戦国時代に築かれたとされています。この城は中世の歴史を物語り、城跡は現在でも公園として整備されています。

歴史的背景

中世の頃、この地域は「山上保」と呼ばれており、鎌倉時代には藤姓の山上氏がこの地域の基盤を築いていました。しかし、山上城が築かれたとされるのは室町時代の後期であり、その時期の山上氏との具体的な関係は明らかではありません。1455年の「正木文書」に見えるように、この地で戦が行われた記録が残っており、1487年には上杉顕定が山上を攻略したことが「赤堀文書」に記されています。このことから、15世紀中頃には山上城が築かれていたと考えられています。

城の歴史はそこから続き、永禄年間（1558年 – 1570年）には、山上氏の秀が後北条氏に追われ、さらに上杉謙信がこれを攻め取った記録があります。この際、大胡民部左衛門が城に置かれたとされ、その後、木戸大炊頭という人物が在城したという情報もあります。天正18年（1590年）に小田原城の落城があった後、山上城は廃城となりました。

現在の山上城跡

現在、山上城の跡は「山上城跡公園」として整備されており、地域の文化や歴史を伝える場所となっています。また、ここには新里郷土文化保存伝習館が設置されており、訪れる人々に地域の歴史を学ぶ機会を提供しています。さらに、山上城跡は群馬県によって指定された史跡であり、昭和23年11月26日にその指定が行われました。

構造について

山上城の構造は、南北に約650メートル、東西に約220メートルの広がりを持つ丘陵に築かれています。この丘陵は南北に延びており、東西の壕によって分割され、城郭が南北に整然と並ぶ形をとっています。

周辺の特徴

山上城周辺には、いくつかの見どころがあります。まず、山上多重塔が存在し、市立新里中学校も近くにあります。また、膳城という別の城跡もあり、地域の歴史的な魅力が感じられる場所です。これらの施設や名所は、訪れる人々に歴史的な視点を提供し、地域の文化に親しむ機会となるでしょう。

脚注と参考文献

山上城の歴史や構造に関する詳細は、新里村誌や群馬県教育委員会による著作を参照することができます。それぞれ、1974年および1989年に発行された資料です。これらの文献は地域の歴史を知る手がかりとなります。

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