山下元利

山下元利の生涯と業績

山下元利（やましたがんり、1921年2月22日 - 1994年3月14日）は、日本の政治家として知られ、衆議院議員や防衛庁長官の役職を歴任しました。彼は正三位勲一等の位階を持ち、特に滋賀県の全県区から選出されたことで知られています。彼の長男である山下英利もまた政治家として活動し、家族の政治的影響は未だ息づいています。

幼少期から大学時代

京都府京都市下京区に生まれた山下は、少年期に両親を失い、弟妹を養うために苦学を重ねました。彼は京都一中を中退し、15歳で専検に合格するという特異な経歴を持ち、その後、旧制第一高等学校、さらに東京帝国大学法学部に進学しました。大学在学中の1943年には高等試験行政科に合格し、大蔵省に入省しましたが、海軍経理学校に進学し短期現役海軍主計科にも臨みました。

戦後の経歴と大蔵省

彼は終戦後、ソ連軍の捕虜となるも1947年に復帰し、再び大蔵省に戻りました。神戸税務署長を経た後、1955年には鳩山一郎首相の秘書官に抜擢され、政治の世界に足を踏み入れました。この頃、彼は国税庁直税部にも所属し、所得税法改正案の作成責任者として活躍しましたが、コンピュータミスによる問題が発生し、責任を取る形で辞表を提出しました。

政治家としての歩み

1967年、山下は衆議院議員選挙に出馬し、初当選を果たしました。彼はその後、衆議院議員を10期にわたって務め、佐藤派から田中派へと所属を移しました。1972年には内閣官房副長官に任命され、さらに1978年には防衛庁長官として入閣しました。韓国に初めての防衛庁長官として訪問し、防衛協議を行うなど、国際関係の強化に努めました。

1980年には衆議院議院運営委員長に就任し、田中角栄元首相から期待をかけられましたが、組織的な支持を得ることに苦労しました。1986年、派閥の解散後も田中派としての活動を続け、二階堂進や江崎真澄らと行動を共にしました。1989年には総裁選候補者選びに意欲を示しましたが、内部の反対により断念しました。

晩年と死去

1990年には第39回衆議院議員総選挙で9回目の当選を果たしましたが、その後は派閥の力が弱まる中で活動しました。1993年に新党さきがけが結成され、山下は自由民主党の候補として当選を果たしましたが、彼の政治人生は田中の死によって影を落としました。1994年に73歳で逝去し、同日には正三位勲一等に叙され、地元で名誉市民の表彰を受けました。彼は、未だ地元で高く評価され、多くの人々から追悼されています。

彼の手帳には、最年少で専検合格を果たした際の記事の切り抜きがあり、最後の瞬間まで大切にしていたと言われています。

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