山元清多

山元 清多（やまもと きよかず）

山元清多は、1939年6月11日に東京都江東区で生まれた日本の脚本家、劇作家、演出家です。彼は東京都立両国高等学校を卒業後、東京大学教育学部教育心理学科に進学しました。大学時代には演劇研究会に所属し、演劇への情熱を深め、この時期に芝居の執筆を始めました。その後、時事通信社に入社し、運動部の記者としてアマチュアスポーツの取材をしていましたが、演劇への思いは変わらず、1967年には「六月劇場」の結成に参加するため同社を退社しました。

1968年には「演劇センター68」に参加し、本格的な舞台脚本家としてのキャリアをスタートさせました。そのデビュー作である『海賊』は1969年に発表され、以降も彼は『ハザマとスミちゃん』や『隠し砦の肝っ玉』など多様な作品を手掛けることになります。1983年には『比置野（ピノッキオ）ジャンバラヤ』が第27回岸田國士戯曲賞を受賞し、彼の名は一層広まりました。

また、テレビドラマの脚本にも進出し、久世プロデュース作品で多くの作品を手掛けました。特に、岸田森や樹木希林といった著名な俳優たちとの出会いが、彼の創作活動に大きな影響を与えました。彼の代表作には、家庭ドラマからサスペンスまで幅広く、多くのヒット作があり、その多才さが際立っています。テレビドラマでは「帰ってきたウルトラマン」や「ウルトラマンA」をはじめ、「刑事ヨロシク」や「愛するということ」など、多岐にわたるジャンルで脚本を担当しました。

その一方で、映画や教育関連の作品でも業績を残しました。2006年の映画『佐賀のがばいばあちゃん』にも関与し、作詞では「みんなのうた」にも作品を提供しました。広範なジャンルでの影響力は、彼が常に新たな挑戦を続けていた証であり、多くのファンに支えられていました。

2010年9月12日、山元清多は東京都新宿区の病院で肺がんのため71歳で亡くなりました。彼の死は、日本の演劇界にとって大きな損失となりましたが、彼の作品は今もなお、観客の心に残り続けています。夫人は女優の稲葉良子であり、山元の人柄や創作活動は多くの人々に影響を与えました。彼の豊かな創作は、今後も演劇界に語り継がれていくことでしょう。

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