山内吉佐

山内吉佐（やまうち よしすけ）

山内吉佐は、安土桃山時代から江戸時代前期にかけての武将で、土佐藩の家老を務めました。その生涯は、戦乱の時代から泰平の世へと移り変わる時期と重なり、激動の時代を生き抜いた人物です。

生い立ち

天正8年（1580年）、山内吉佐は豊臣秀吉の馬廻であった酒井下総守吉政の子として生まれました。山内（酒井）家の系譜によると、父・吉政は徳川家家臣酒井家次の子と伝えられています。しかし、この出自については諸説あり、正確なところは不明です。

武将としての活躍

吉佐は初め、小早川秀秋に3000石で仕えていましたが、同僚を殺害するという事件を起こし、退身することになります。その後、慶長5年（1600年）に山内一豊に中老職として1690石で仕えることになりました。この時、浦戸城と山内姓を拝領しています。このことから、一豊からの信頼が厚かったことが伺えます。

慶長14年（1609年）には、山内康豊の三女である郷姫と結婚し、山内家の一員となりました。翌慶長15年（1610年）には、長男の豊吉が誕生し、その化粧料として100石を賜っています。これらの出来事から、吉佐が山内家の中で重要な地位を占めていたことがわかります。

慶長19年（1614年）からの大坂冬の陣、元和元年（1615年）の大坂夏の陣には、2代藩主・山内忠義に従って出陣しました。父・吉政は豊臣秀頼に仕えており、夏の陣で戦死しています。この戦で、吉佐は武将としての力量を遺憾なく発揮したと考えられます。

土佐藩での活躍

元和5年（1619年）、福島正則が改易されると、藩主・忠義は広島城の受け取りを命じられ、吉佐もこれに従い安芸広島まで出陣しました。同年、大坂城の普請の課役も務めています。これらのことから、吉佐が藩の重要な役目を担っていたことがわかります。

元和7年（1621年）には仕置家老となり、藩政の中枢を担いました。元和8年（1622年）には、その功績が認められ500石を加増され、知行2190石となりました。吉佐は、その能力を高く評価されていたと考えられます。

寛永9年（1632年）1月21日、吉佐は51歳で亡くなりました。その生涯は、戦国時代から江戸時代へと移り変わる激動の時代を象徴するかのようです。

親族

父：酒井吉政
室：山内康豊の三女・郷姫
子：山内豊吉

まとめ

山内吉佐は、武将としてだけでなく、藩政においても重要な役割を果たした人物です。彼の功績は、土佐藩の発展に大きく貢献したと言えるでしょう。

出典

東京大学史料編纂所「土佐国羣書類従」

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