山口瑞鳳

山口瑞鳳（やまぐち ずいほう）

山口瑞鳳は、1926年に石川県鳳至郡門前町（現在の輪島市）に生まれた、日本を代表する仏教学者でありチベット学の専門家です。彼は、1926年2月21日に誕生し、2023年4月15日にその生涯を閉じました。東京大学名誉教授としての経歴を持ち、成田山仏教研究所の客員研究所員でもありました。1979年には東京大学から文学博士の学位を取得しています。

経歴

山口は1953年に東京大学文学部印度文学科を卒業しました。その後、1964年にはフランスの高等研究実習院を中退し、1962年から1964年にかけてロックフェラー財団からの給費研究員として研究活動を行いました。1958年から1962年までフランス国立科学研究センターにおいても研究工作を行い、東洋文庫の専任研究員として1964年から1970年まで活動しました。

1970年には東京大学文学部で助教授に就任し、後に教授に昇進しました。1986年には、東京大学を定年で退官し名誉教授の称号を得た後、名古屋大学文学部で教授職を務めましたが、1988年に退職しました。

受賞歴

山口の業績は高く評価されており、1972年には『チベットの文化』で日本翻訳文化賞を受賞、1984年には『吐蕃王国成立史研究』で日本学士院賞を受賞しました。また、1985年には東方学術賞、1988年には『チベット』で毎日出版文化賞を受賞しています。1996年には勲三等瑞宝章を受賞し、その業績は日本の仏教およびチベット学の発展に寄与しました。

著書

山口は数多くの著作を出版しており、特にチベットに関する研究で知られています。主な著書には、以下のものがあります：

• - 『ナラ王ものがたり』（青葉書房、1957年）
• - 『スタイン蒐集チベット語文献解題目録』（東洋文庫、1977-1978年）
• - 『吐蕃王国成立史研究』（岩波書店、1983年）
• - 『チベットの仏教と社会』（春秋社、1986年）
• - 『チベット』（上）（東京大学出版会、1987年）
• - 『チベット』（下）（東京大学出版会、1988年）
• - 『チベット語文語文法』（春秋社、1998年）
• - 『「概説」チベット語文語文典』（春秋社、2002年）
• - 『「評説」インド仏教哲学史』（岩波書店、2010年）

これらの著作は、彼の研究成果をまとめたものであり、チベット文化や宗教、言語についての洞察を提供しています。

翻訳・編著

加えて、山口は多くの翻訳や編著も手がけており、代表的なものには、R.A.スタンによる『チベットの文化』の共訳（岩波書店、1971年及び増補版1993年）が含まれます。そのほかにも、チベットの文献や文化に関する研究書や資料集を多数編集しています。

論文

彼の研究は、学術的な評価を受けており、数多くの論文も発表されている。この分野の専門家たちにとって、彼の業績は今なお大きな影響を与え続けています。

研究に関する評価として、福田洋一による「日本のチベット学10年--山口瑞鳳博士の研究を中心に」などが挙げられ、彼の業績がどのように評価されているかを知る手助けとなります。

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