山名時熙

山名時熙（やまな ときひろ）

山名時熙は、南北朝時代から室町時代にかけて活躍した武将であり、守護大名としても知られています。彼は、父である山名時義のもとで家督を継ぐことになるものの、山名氏内での勢力争いに巻き込まれる運命にありました。

家族と背景

時熙は、その父の影響を受けて成長したこともあり、いずれ家督を相続するための準備を進めていました。正室は山名氏清の娘であり、彼には満時、持熙、持豊といった子供たちがいました。また、猶子である熙高を含む多くの親族がいます。彼の官位は宮内少輔、右衛門佐、右衛門督に至り、生涯にわたって武士としての地位を築いてきました。

生涯の展開

康応元年（1389年）、父が亡くなった後、時熙は家督を相続しますが、その後の明徳元年（1390年）、家中の争いが激化し、足利義満から討伐を受けます。この戦いにより、従兄弟の氏之や伯父の山名氏清の攻撃に直面し、最終的には但馬から備後へと逃げることになります。彼は短期間の厳しい状況を耐え抜き、明徳2年の義満からの赦免を経て、再び力を取り戻しました。

その後、明徳の乱に参加し、義満に仕官することで山名氏の立場を強化します。しかし、この乱の最中には、自身の家族が影響を受けている状況にあったため、密かに従兄弟を匿うなど微妙な立場にも置かれました。応永6年（1399年）の応永の乱でも武将として戦い、記録に名を残しました。

政治と影響力

時熙は、4代将軍から6代将軍まで幕政に参加し、特に応永21年には侍所頭人としての役職を務めました。彼は、政治的な場面でのリーダーシップを発揮し、他の有力な武士たちと連携しながら、地位を確保していきました。応永23年（1416年）には、内通疑惑が持ち上がるなどの困難にも見舞われましたが、逆境を乗り越えてきました。

駿河の赤松満祐出奔事件では、彼自身が討伐軍に加わり、活動を続けます。しかし、永享5年（1433年）、家督を次男の持豊に譲渡することに決め、日明貿易に関する疑惑から失脚することになります。最終的に、山名時熙は永享7年（1435年）に69歳でこの世を去ります。彼の法名は大明寺殿巨川常熙大居士とされています。

影響と遺産

時熙の死後、彼の墓所は兵庫県の円通寺にあり、父時義と並ぶ形で建立されています。また、彼が中興開基した寺院も多く存在し、その影響力を後世にわたって残しています。戦国時代を経ても、山名氏は彼の代で再び権力を取り戻し、安芸守護をはじめとする多くの土地を治めることになります。このように、山名氏の家督は時熙の直系によって受け継がれ、その影響は歴史に刻まれました。

もう一度検索