山名熙貴

山名熙貴（生年不詳 - 1441年）は、室町時代に活躍した武将であり、守護大名です。石見守護を務め、山名氏の一員として室町幕府に仕えました。官位は中務大輔。

熙貴は室町幕府の番衆として活動し、1437年には石見守護に任命されました。しかし、1441年に勃発した嘉吉の乱において、悲劇的な最期を遂げます。この乱は、将軍足利義教が赤松満祐の屋敷を訪問した際に、満祐によって義教と共に殺害された事件です。

熙貴の死後、同族の山名宗全、山名教之、山名教清らが満祐討伐で活躍し、その結果、石見は教清が獲得しました。熙貴の2人の娘は宗全に養女として引き取られ、それぞれ大内教弘と細川勝元という有力大名に嫁ぎました。この婚姻関係を通じて、山名氏は勢力を拡大していくことになります。

また、山名宗全の息子である山名勝豊が、熙貴の養子として因幡守護を継いだと伝えられています。しかし、熙貴自身が因幡守護に就いた記録はなく、これは同族の山名熙高との混同である可能性も指摘されています。この点については、今後の研究による解明が待たれるところです。

山名熙貴は、室町時代初期の動乱期において、その短い生涯を終えましたが、彼の死後、山名氏が大きく発展していく上で重要な役割を果たしました。

参考文献

石田晴男『戦争の日本史9 応仁・文明の乱』吉川弘文館、2008年。
川岡勉『山名宗全』吉川弘文館（人物叢書）、2009年。

関連項目

* 山名氏

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