山室姫塚古墳

山室姫塚古墳は、千葉県山武市松尾町山室に所在する、千葉県指定の史跡です。

概要

九十九里平野の中央部を流れる木戸川の中流西岸、標高33メートルの台地上に位置しています。この場所には16基の古墳が集中しており、大塚古墳群として知られています。山室姫塚古墳は、その中でも台地の先端に築かれた1号墳で、直径64～66メートル、高さ9メートルを誇る、千葉県内最大級の円墳です。

木戸川の上流東岸には小池・芝山古墳群、下流東岸には大堤・蕪木古墳群といった前方後円墳を主とする古墳群が分布しています。これに対して、大塚古墳群はすべての古墳が円墳で構成されており、山室姫塚古墳のほかには直径29メートルの2号墳と、直径20メートル前後の小型円墳が点在しています。

発掘調査は実施されていませんが、測量調査から周溝の幅は5～9メートルと推定されています。さらに、周溝の外縁には周堤の存在も確認されており、周堤を含めた古墳の全長は約85メートルとされています。埴輪は確認されておらず、古墳の築造時期は7世紀代と考えられています。同じく7世紀代の築造と考えられる作田川沿いの駄ノ塚古墳が方墳であるのに対し、山室姫塚古墳が円墳である理由については、今後の研究課題とされています。

補足

大塚古墳群: 山室姫塚古墳を含む17基の古墳からなる古墳群。
円墳: 上から見ると円形の古墳。
周溝: 古墳の周囲に掘られた溝。
周堤: 周溝の外側に土を盛り上げて造られた堤。

参考文献

大塚, 初重、小林, 三郎『続日本古墳大辞典』東京堂出版、2002年、24-25頁。ISBN 4490105991。

関連情報

古墳時代: 日本の歴史区分の一つで、3世紀中頃から7世紀頃までの時代。
日本の古墳一覧: 日本国内に存在する古墳のリスト。
外部リンク: 山武市教育委員会が公開している山室姫塚古墳の情報

山室姫塚古墳は、その規模の大きさや周辺の古墳群との関係から、当時の社会構造や文化を知る上で重要な手がかりとなる古墳です。今後の調査や研究の進展が期待されます。

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