山崎佐

山崎佐（やまざき たすく）

山崎佐は、1888年7月5日に千葉県君津郡木更津町に生まれ、1967年7月30日に没した日本の弁護士、医事法制学者です。

生涯

1913年に東京帝国大学法科大学独法科を卒業後、司法官として地方裁判所の民事・刑事部、そして予審判事を歴任しました。1922年に官を辞し、弁護士として独立。その後は、東京帝国大学などで医事法制に関する教育に携わる傍ら、研究活動も積極的に行いました。

1942年から1953年まで日本医史学会の理事長を務め、1951年には「江戸期前日本医事法制の研究」で日本大学から法学博士号を授与されました。また、日本弁護士連合会会長も務めるなど、法律界においても重要な役割を果たしました。

人物

東京地方裁判所予審判事時代には、原敬首相を暗殺した中岡艮一の審理を担当しました。山崎佐の蔵書は、その死後、順天堂大学に寄贈され、「山崎文庫」として貴重な資料群が保存されています。

業績

山崎佐は、医事法制の分野で数多くの著書を執筆しました。初期の著作には『医師法医師会法釈義』（1914年）や『医事刑罰法釈義』（1915年）があり、その後も『医事法制学』（1920年）、『医業と法律』（1917-40年）など、医事法制に関する重要な研究書を多数発表しました。

また、『日本疫史及防疫史』（1931年）のように、医学史に関する著作も残しています。晩年には、『江戸期前日本医事法制の研究』（1953年）を著し、長年の研究成果をまとめました。

著書一覧

『医師法医師会法釈義』 奨進医会、1914年
『医事刑罰法釈義』 奨進医会、1915年
『医料権論鈔』 国家医学会、1915年
『袖珍医家法規摘要』 編、南江堂、1916年
『医事法制学』 克誠堂書店、1920年
『医業と法律』 第1-9輯、克誠堂書店、1917-40年
『医料規約研究』 日本医師協会事務所、1931年
『日本疫史及防疫史』 克誠堂書店、1931年
『医事法制の誤り易き諸点 臨牀医学講座』 金原商店、1935年
『医師・歯科医師診療所解説』 克誠堂、1937年
『法曹瑣談』 文光堂、1937年
『診療過誤 臨牀医学講座』 金原商店、1937年
『医制問答』 克誠堂書店、1938年
『温故知新医事談叢』 日本臨牀社東京支局、1948年
『最新医事法規』 編、文光堂書店、1948年
『江戸期前日本医事法制の研究』 中外医学社、1953年
『各藩医学教育の展望』 国土社、1955年
『日本調停制度の歴史』 日本調停協会連合会、1957年

関連書籍

『山崎文庫目録』 順天堂大学図書館、1969年
『思い出に綴られる山崎佐の生涯』 江尻進、1968年（編者：江尻は山崎の娘婿、元同盟通信社ベルリン支局長）

参考文献

* デジタル版日本人名大事典・コトバンク:1

山崎佐は、日本の医事法制の発展に大きく貢献した人物であり、その業績は今もなお、多くの研究者や実務家に影響を与え続けています。

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