山崎敏

山崎 敏

（やまざき さとし、1981年4月8日 - ）は、群馬県勢多郡富士見村（現在の前橋市）で生まれた元プロ野球選手です。現役時代は左投げ左打ちの投手として活躍し、引退後はコーチも務めました。現在は埼玉西武ライオンズの打撃投手としてチームを支えています。

プロ入り前

高校時代には、1999年の県大会準々決勝で群馬県立桐生高等学校と対戦し、17個の三振を奪って完投。この力投でチームを19年ぶりにベスト4へと導きました。この年の群馬県大会で優勝し、甲子園でも県勢初の全国制覇を成し遂げたのは、後に日本ハムにドラフト1巡目で入団する正田樹投手が率いる桐生第一高等学校でした。

平成国際大学へ進学すると、1年生の秋に新人賞を受賞するなど早くから頭角を現します。4年生の春には、常磐大学との試合で7回参考記録ながらノーヒットノーランを達成し、注目を集めました。大学リーグ戦では通算19勝を記録。その活躍に、近鉄、オリックス、ロッテ、そして西武といった4球団が獲得に関心を示し、最終的に西武ライオンズへ自由獲得枠での入団が決まりました。

西武ライオンズ時代

プロの世界に入り、2004年5月8日の対北海道日本ハムファイターズ戦（西武ドーム）で初めて一軍のマウンドに立ちました。続く5月12日には、主力投手である西口文也の故障という状況の中、対福岡ダイエーホークス戦（サンマリンスタジアム宮崎）でプロ初先発を任されます。この試合で6回を2失点に抑える好投を見せ、見事にプロ初勝利を挙げました。その後、一旦ファームへ降格しましたが、シーズン後半には再び一軍に昇格し、この年は合計14試合に登板しました。

2005年は中継ぎとして5試合に登板しましたが、そのうち4試合で失点を喫するなど、結果を残せませんでした。二軍でも防御率が6点台と苦しいシーズンとなりました。2006年もオープン戦では良い投球を見せるものの、故障のため開幕一軍入りを逃し、そのまま一度も一軍に呼ばれることなくシーズンを終えました。同年オフには、9年ぶりに開催されたハワイ・ウィンターリーグにチームメイトの山本歩選手とともに参加し、武者修行を積みました。

2007年は、先発左腕である帆足和幸投手の不調もあり、松永浩典投手とともに先発ローテーションの一角を争うことが期待されます。開幕一軍には入れなかったものの、4月には一軍に昇格すると、中継ぎ投手として安定した投球を見せるようになります。8月には星野智樹投手がファームへ降格したこともあり、数少ない左のリリーフとしてチームに貢献しました。かつての球速からはやや低下したものの、制球力を改善し、ブルペンの一員として復調を果たしました。この年はチームで3番目に多い45試合に登板し、キャリア最高の防御率3点台をマークするなど、リリーフ投手としての地位を確立しました。

2008年も開幕一軍のメンバーに入りましたが、登板した3試合で目立った成績を残せず、すぐにファームへ降格。その後はシーズン終了まで一軍に昇格することはありませんでした。2009年も一年を通して一軍での登板機会はなく、オフシーズンには背番号が「17」から「29」へと変更されました。2010年も再び一軍登板なしに終わり、2011年10月9日に球団から戦力外を通告されました。その後、同年12月2日に自由契約選手として公示され、西武ライオンズを離れることとなりました。

現役引退後

西武を退団した後、山崎氏は新たなキャリアを歩み始めます。2012年2月7日には、独立リーグであるベースボール・チャレンジ・リーグ（BCリーグ）に加盟する群馬ダイヤモンドペガサスに、投手コーチ補佐および育成コーチとして入団しました。指導者としての道を歩み始めた矢先の2012年5月2日、古巣である西武ライオンズと打撃投手としての契約を結び、チームに戻ることになりました。以来、長年にわたり打撃投手としてチームの練習を支え続けており、2024年シーズン終了時点でもその役割を担っています。

プロ野球選手としてのキャリアは決して長くありませんでしたが、プロ初登板での好投、2007年の中継ぎでの活躍など、印象的な場面もありました。現在は裏方としてチームに貢献しており、その経験を若い選手たちに伝えていることでしょう。

背番号は、西武時代「17（2004年 - 2009年）」、「29（2010年 - 2011年）」、群馬時代「73（2012年 - 同年5月1日）」、西武打撃投手として「07（2012年5月2日 - 2024年）」を使用しました。なお、2025年からは打撃投手としての契約は継続されるものの、背番号は無しとなる予定です。

主な記録

初登板：2004年5月8日、対北海道日本ハムファイターズ戦（西武ドーム）
初奪三振：同上（打者：島田一輝）
初先発・初勝利：2004年5月12日、対福岡ダイエーホークス戦（サンマリンスタジアム宮崎）
初ホールド：2007年6月20日、対東京ヤクルトスワローズ戦（明治神宮野球場）

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