山崎晃資

山崎 晃資（やまざき こうすけ）は、1937年に北海道倶知安町に生を受けた、日本の著名な医学者であり精神科医です。その生涯は、特に児童や青年の心の健康、中でも自閉症の問題に深く関わり、この分野の発展に多大な貢献をしました。

彼の学問の道のりは、1962年に北海道大学医学部医学科を卒業したことに始まります。さらに探求を深め、1967年には同大学大学院医学研究科神経内分泌専攻で博士課程を修了し、医学博士の学位を取得しました。

臨床医としてのキャリアは、北海道大学医学部精神科での助手としての経験を積み重ねた後、1974年に市立札幌病院附属静療院児童部長に就任したことで本格化します。また、同時期にはのぞみ学園の副医長も務め、発達に困難を抱える子どもたちの支援に直接携わりました。

1982年からは、活躍の場を東海大学に移し、医学部精神科学教室の教授として多くの学生や後進の指導にあたります。研究者・教育者としての傍ら、2003年から2005年にかけては東海大学教育研究所教授と東海大学付属相模中学校・高等学校校長を兼任するという、教育現場の運営にも関わる稀有な経験を持ちます。この経験は、臨床と教育の両面から子どもたちを見つめる彼の視点をさらに深めたことでしょう。

大学を離れてからも、2005年以降は臨床児童精神医学研究所の所長として実践的な研究と支援を続け、また目白大学の客員教授としても次世代への知識伝達に努めました。その専門性と経験は広く認められ、精神保健指定医の資格を有し、日本児童青年精神医学会の理事長、国際児童青年精神医学会の顧問、アジア児童青年精神医学会の事務局長といった国内外の主要な学会で要職を歴任しました。さらに、愛光病院の臨床顧問としても、専門的な助言を提供し続けました。

山崎晃資氏の貢献は、多くの著作にも結実しています。乳幼児期から思春期にかけての精神医学、心理的アプローチ、自閉症に関する深い考察は、専門家だけでなく広く一般の人々にも影響を与えました。

主な著書

『乳幼児精神医学への招待』（共著）
『小児診療のための心理的アプローチ』
『心の家庭医学』
『乳幼児の発達と精神衛生』
* 『自閉症の研究と展望』

2023年4月21日、彼は85年の生涯を閉じましたが、児童青年精神医学の分野に残した功績は、今後も多くの研究者や臨床家、そして何よりも子どもたちの健やかな成長を見守る人々にとって、貴重な指針であり続けるでしょう。

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