山川弘保

山川弘保氏は、1959年（昭和34年）、現在の岐阜県郡上市の一部にあたる郡上郡高鷲村に生まれました。医師として長年地域医療に貢献した後、2024年に郡上市長に就任した人物です。

幼少期から青年期にかけて地元で育ち、高鷲村立高鷲小学校、高鷲村高鷲中学校を卒業後、岐阜県立郡上高等学校に進学しました。その後、岐阜大学医学部で医学を修め、医師としての道を歩み始めます。専門は脳神経外科で、さらなる研鑽を積むため、スイスのチューリッヒ大学脳神経外科への留学も経験しました。

帰国後は、まず岐阜市民病院で脳卒中センター長として、脳卒中患者の治療や救急医療体制の充実に尽力しました。長年の経験と実績を積んだ後、故郷である郡上市に戻り、郡上市民病院の脳神経外科救急部長に就任しました。郡上市民病院では、地域における脳神経外科領域の救急医療体制の確立と質の向上に貢献しました。山川氏は、日本脳神経外科学会専門医および日本救急医学会専門医の資格を持ち、高度な医療技術と豊富な臨床経験を兼ね備えています。

医師としての活動に加え、地域社会にも深く関わってきました。岐阜県の「木の国・山の国」県民会議委員や、郡上市森林づくり推進会議委員などを歴任し、医療・福祉以外の分野からも地域の発展に貢献してきました。

2024年、郡上市は任期満了に伴う市長選挙を迎えました。この選挙は、長年市政を担ってきた日置敏明市長が今期限りでの引退を表明したことを受け、新たなリーダーを選ぶ重要な機会となりました。山川弘保氏は、医師としての豊富な経験と地域貢献の実績を背景に、この選挙に無所属・新人として立候補しました。

選挙戦は2024年3月24日に告示され、3月31日に投開票が行われました。開票の結果、山川弘保氏は15,903票を獲得し、対立候補であった田中康久氏の9,432票を抑え、見事初当選を果たしました。この選挙の最終投票率は79.32%でした。これにより、山川氏は第6代郡上市長に就任することになりました。

市長として、山川氏は市民の「命を守る」ことと「郡上を守る」ことを二つの大きな柱とした政策ビジョンを掲げています。

「命を守る3つのビジョン」としては、地域医療提供体制の維持・強化を含む医療・福祉・健康サービスのさらなる充実、災害や犯罪から市民のくらしを守る安全・安心の確保、そして豪雨災害なども想定した地域防災力の強化に取り組むことを表明しています。

「郡上を守る4つのビジョン」としては、農林業や観光業などの地域産業を振興し経済を活性化させること、高齢者や交通弱者も含め全ての市民が快適に移動できるよう交通ネットワークを整備すること、未来を担う子どもたちが健やかに成長できる環境を整えること、そして郡上市独自の特色を活かした教育を展開する「学びの郡上モデル」を創出することを公約としています。

これらの公約からは、医師としての視点から市民の健康と安全を第一に考えつつ、地域の産業や教育、生活環境といった幅広い分野の課題解決を目指す姿勢がうかがえます。長年培った専門知識と地元への深い理解に基づき、新市長として郡上市政のかじ取りを担っていきます。

なお、山川氏の家族に関する情報として、父親である山川清至氏が、かつて高鷲村の村議会議員を1959年から1975年までの4期にわたり務めていたことが知られています。これは、山川氏の政治家としての道のりに何らかの影響を与えた可能性も考えられます。

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