高鷲村

岐阜県郡上郡高鷲村：自然とスキー場に彩られた村の記憶

高鷲村は、かつて岐阜県郡上郡に存在した村です。飛騨高地の一角を占め、豊かな自然と数多くのスキー場があることで知られていました。2004年、郡上郡内の7町村が合併し、新たに郡上市が誕生したことで、その歴史に幕を閉じました。

地理

高鷲村は、飛騨高地の中に位置し、起伏の激しい山地が大部分を占めていました。しかし、ひるがの高原や上野高原のように、比較的傾斜が緩やかな場所も存在しました。村の北東にそびえる鷲ヶ岳を源流とする長良川が南西へと流れ、村の西端で白鳥町へと続いていました。村の中心部は、この長良川沿いに形成されていました。

主な山岳：大日ヶ岳（1,709m）、鷲ヶ岳（1,671m）

主な河川：長良川、鷲見川、猪洞川、八百僧谷川、叺谷

気候は冷涼で、年間の平均気温は13.0度。2月の平均気温は1.7度、7月の平均気温は26.5度でした。年間降雪量は、南部の大鷲で381mm、北部のひるがのでは568mmを記録していました。

歴史

1897年（明治30年）4月1日、大鷲村、鮎立村、西洞村、鷲見村が合併し、高鷲村が誕生しました。1921年（大正10年）6月頃には村役場が移転し、村の行政機能が強化されました。そして、2004年（平成16年）3月1日、八幡町、大和町、白鳥町、美並村、明宝村、和良村との合併により郡上市が発足。これにより、高鷲村は廃止されました。

興味深いことに、高鷲村は昭和の大合併の際、白鳥町との合併を検討し、一度は離脱した経緯があります。しかし、今回の合併により、最終的には同じ自治体の一部となりました。合併後も「高鷲」という地名は郡上市高鷲町として残り、その名を今に伝えています。

行政

高鷲村最後の村長は、硲孝司氏でした。2001年当時の議員定数は10人、一般職職員数は85人でした。

経済

村の経済は、林業、農業、観光業によって支えられていました。かつては山林資源を活かした林業が盛んでしたが、20世紀末には衰退しました。水田が比較的少ないため、大根の栽培が盛んに行われ、その他にも若干の野菜が栽培されていました。これらの農産物が、村の総生産額の6割を占めていました。また、酪農も行われ、乳牛が飼育されていました。

産業人口（2000年）

第一次産業就業者数 - 314人
第二次産業就業者数 - 493人
第三次産業就業者数 - 1089人

教育

高鷲村には、高鷲中学校、高鷲北小学校、高鷲小学校がありました。しかし、過疎化の影響などにより、多くの小中学校が2004年以前に廃校となっています。

高鷲村立高鷲中学校鷲見分校（1962年廃校）
高鷲村立大日中学校（1965年廃校）
高鷲村立高鷲中学校西洞分校（1965年廃校）
高鷲村立高鷲小学校下地分校（1966年廃校）
高鷲村立高鷲小学校切立上野冬季分校（1967年廃校）
高鷲村立高鷲小学校大洞分校（1976年廃校）
高鷲村立高鷲小学校切立分校（1976年廃校）
高鷲村立高鷲小学校鷲見上野分校（1977年廃校）
高鷲村立高鷲小学校鷲見分校（1995年廃校）
高鷲村立高鷲小学校西洞分校（1995年廃校）
高鷲村立大日小学校（1995年廃校）

交通

高鷲村には、東海北陸自動車道が通っており、村の南部に高鷲インターチェンジがありました。また、国道156号が長良川沿いを走り、南の白鳥町、北の荘川村へと繋がっていました。村内には鉄道路線はありませんでしたが、隣町の白鳥町にある長良川鉄道の駅が最寄り駅となっていました。

高速道路

東海北陸自動車道
高鷲インターチェンジ
ひるがの高原サービスエリア

一般国道

国道156号

主要地方道

岐阜県道45号高鷲インター線

一般県道

岐阜県道316号鮎立恩地線
岐阜県道321号ひるがの高原線
岐阜県道452号惣則高鷲線

レジャー

高鷲村は、スキー場が多く、冬はスキーやスノーボードを楽しむ観光客で賑わっていました。

郡上高原スキー場
ダイナランド
高鷲スノーパーク
ひるがの高原スキー場
ホワイトピアたかす
鷲ヶ岳スキー場

高鷲村は、その美しい自然と豊富なレジャースポットで、多くの人々に愛された村でした。合併によりその名は消えましたが、郡上市高鷲町として、その記憶は今も受け継がれています。

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