山川湾

山川湾の形成

山川湾は、鹿児島県の薩摩半島南東部に位置し、阿多カルデラに関連した火山活動によって形成された湾です。その起源は約5500年前に遡ります。当時、池田湖や鰻池などの形成と同時期に、この地域一帯でマグマ水蒸気爆発が発生しました。この爆発によって、直径約2kmの巨大な窪地が出現し、その窪地に海水が流れ込むことで、現在の山川湾の原型となる半円形の湾が誕生しました。

この爆発は非常に強力で、周辺地域には噴出物が厚く堆積しました。場所によっては30m以上もの厚さで噴出物が堆積している箇所も確認されており、当時の爆発の規模を物語っています。その後、湾の南端付近から砂嘴が伸びることで、現在の複雑な海岸線が形成されました。

火山活動と地形の特徴

山川湾は、現在も活火山として分類されており、池田湖などと共にランクCの活火山に指定されています。湾を取り囲む火口壁は高さ約80mの崖となっており、その険しい地形が特徴的です。湾の周囲の丘陵地帯へ入るためには、曲がりくねった道路を通る必要があります。

この地域は、火山活動の影響で温泉が豊富に湧き出ており、山間部を中心に多くの保養施設が点在しています。海岸部には川尻温泉があり、観光客や地元の人々の憩いの場となっています。

山川湾の周辺

山川湾の湾内には山川港があり、漁業の拠点としても重要な役割を担っています。また、この地域は南薩火山群の一部であり、周辺には池田山川などの火山地形が広がっています。山川造船鉄工など、地域の産業を支える施設も存在します。

参考文献

山川町編 『山川町史（増補版）』 山川町長中村治男、2000年。

関連項目

池田山川
南薩火山群
山川漁港
山川造船鉄工

外部リンク

気象庁池田・山川情報ページ

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