山形交通三山線

三山線の概要

三山線（さんざんせん）は、かつて山形県寒河江市の羽前高松駅と西村山郡西川町の間沢駅を結んでいた鉄道路線です。この路線は、元々三山電気鉄道としてスタートし、後に山形交通の一部となりました。全長11.4kmの距離を有するこの路線は、1974年にその役目を終えました。

路線の特徴

• - 営業キロ: 羽前高松 - 間沢間は11.4km
• - 軌間: 1067mm
• - 駅数: 起点駅を含めて10駅
• - 複線区間: 全線が単線
• - 電化区間: 全線が直流600Vで電化されていた
• - 閉塞方式: タブレット閉塞方式を採用

歴史的背景

三山線は、1926年12月23日に三山電気鉄道としてサービスを開始しました。当初の目的は、出羽三山への参拝客の輸送や周辺の鉱山からの物資搬送でした。開業時は羽前高松と海味駅間の8.8kmが対象でしたが、1928年には海味から間沢駅まで延伸されました。

この路線は、白岩発電所や沼山発電所の水力発電による安定した電力供給を受けて利益を上げ、さらなる延伸計画がなされるほどでした。1936年には、谷地軌道のバス路線を買収し、バス運行も開始し、沿線の観光関連施設の開発にも力を入れました。特にスキー場へのアクセスや菊まつりといったイベントは多くの乗客を引き寄せ、地域の通勤・通学客や参拝者で賑わいました。

しかし、その後の鉱山の閉山や1960年代からのモータリゼーションの進展により、経営は厳しくなりました。1974年には、全区間が廃止されました。

廃止後の現状

廃線跡は現在、サイクリング道路や農道として利用されており、鉄道の痕跡が多く残っています。特に、初期の旅客車であったモハ103は月山の酒蔵資料館に保存されており、多くの人々が訪れる観光スポットとなっています。資料館内には三山線に関する特設コーナーも設けられ、当時の写真や資料が展示されています。また、新田停留所跡近くには「三山広場」があり、かつての鉄橋や写真、解説看板などが設置されています。

年表

• - 1923年5月10日: 鉄道免許状下付
• - 1924年8月17日: 三山電気鉄道株式会社設立
• - 1926年12月23日: 羽前高松駅 - 海味駅間で運輸開始
• - 1928年9月17日: 海味駅から間沢駅まで運輸開始
• - 1943年10月1日: 山形交通に改称
• - 1974年11月18日: 全区間が廃止

車両について

三山線で使用された車両には、モハ100型の電車や、ワフ型の貨車が含まれています。特にモハ103は重要な存在で、今でも保存されています。様々な型の電車が揃い、時代の変遷とともに更新や譲渡が行われました。

三山線の歴史は、地域の発展と密接に結びついており、過去の足跡をたどることで、当時の人々の生活や交通事情を知ることができます。

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