山形村 (岩手県)

山形村の概要

山形村（やまがたむら）は、岩手県北部の九戸郡にあった村です。この村は2006年3月6日に旧・久慈市と合併して久慈市山形町となり、正式に消滅しました。行政区画としての山形村は、多くの歴史的背景と産業構造、交通網を持っていました。

歴史

山形村は、沿岸部と盛岡市を結ぶ重要な交通路である野田街道上に位置していました。古くから内陸に塩を運ぶ「塩の道」として利用されていたため、この村は物流の要所でもありました。また、平庭高原の麓には歴史的な戦場や合戦の舞台があり、特に九戸政実の乱においては、この地が戦いの舞台となっていました。村の関村には盛岡藩と八戸藩の境を示す関番所が設けられ、多くの役人がこの地域を訪れました。

山形村は寛文4年までは盛岡藩の管轄下にあり、以降八戸藩に移りました。明治時代には多くの幕府軍の脱走兵が訪れたこともあり、歴史的にも重要な地域であったことが伺えます。

産業

この村の主要な産業は金、鉄、マンガンなどの鉱業でした。江戸時代から鉱業が盛んで、地元の資源を活用しながら地域経済が発展しました。具体的には、八戸藩の御手山となった金取鉄山や繋鉄山、小国鉄山があり、特に金取鉄山では四合吹き技術を用いて高い成果を上げていました。

また、馬内金山や深田金山など周辺の金山からも豊富な金が採掘され、周辺の河川でも砂金採取が行われていました。近年にはマンガンの採掘がさかんで、特に川井鉱山や小国鉱山が操業していたため、鉱床は岩手県内でも随一とされていました。

沿革

1889年4月1日、町村制が施行され、川井村、小国村、霜畑村、荷軽部村、戸呂町村、日野沢村、繋村の一部が合併し、南九戸郡山形村が誕生しました。1897年には南九戸郡と北九戸郡が合併し、九戸郡に属することとなります。そして2006年には旧久慈市と合併し、久慈市山形町となりました。

行政

村長は清水恭一氏で、1999年5月1日に就任しました。彼の下で村の行政が行われていました。

交通

現在、山形村には鉄道路線が通っていませんが、最寄り駅としてはJR東日本のいわて沼宮内駅や久慈駅が利用可能です。バス路線はJRバス東北の平庭高原線があり、白樺号が盛岡駅と久慈駅を結んでいます。道路交通は、国道281号や複数の県道が通っており、地元とのアクセスが確保されています。

名所・観光スポット

山形村には、久慈平庭県立自然公園や内間木洞、霜畑のケヤキ群などがあります。これらの自然景観や歴史的魅力も、地域を訪れる観光客にとって大きな見どころとなるでしょう。

出身有名人

この地域からは、力士の栃乃花仁やビッグダディとして知られる林下清志が出ています。彼らは地域の代表的人物としても知られています。

このように、山形村は歴史、産業、交通の観点からも興味深い地域であり、その痕跡は今も地域に残っています。

もう一度検索