栃乃花仁

栃乃花仁: 元大相撲力士の軌跡

栃乃花仁（とちのはな ひとし）は、1973年2月28日に岩手県九戸郡山形村（現在の久慈市）で生まれた元大相撲力士である。彼は本名を谷地仁（やち ひとし）といい、春日野部屋に所属していた。身長184cm、体重148kgを誇り、得意技として右四つ、寄り、おっつけを持っていた。

来歴

栃乃花は林業会社の長男として生まれ、一卵性双生児の弟が存在する。中学校時代は弟とともに柔道に取り組んでいたが、本格的な相撲の道は岩手県立浄法寺高等学校に進学してから始まった。そこで彼の才能は開花し、明治大学相撲部でも副主将として活躍した。しかし、左膝の靱帯損傷により、幕下付出の資格を失ったため、前相撲からのデビューを余儀なくされた。

彼の初土俵は1995年3月であった。相撲界への足がかりを得た彼は、地道な努力の結果、1999年1月の場所で十両に昇進、2000年5月には新入幕を果たした。これは大学卒業の学生相撲経験者が前相撲から初土俵を踏んだ力士として初の快挙であった。

新入幕の場所から、栃乃花は強烈なパフォーマンスを見せ、12勝3敗という好成績を収めた。その結果、敢闘賞と技能賞を受賞し、力士としての名声を高めた。特に注目すべきは、同場所の12日目に大関・千代大海、14日目には貴ノ浪を破ったことで、特に貴ノ浪に対する勝利は同時期の力士にとって大きな驚きとなった。同年9月場所でも10勝し、翌11月には最高位の小結にまで上り詰めた。

しかしその後は幕内下位での相撲が多くなり、2003年3月以降は幕内から遠ざかることになる。2004年1月場所では準備運動中にぎっくり腰を患い、急遽休場を余儀なくされ、2005年3月場所に2004年1月場所以来8場所ぶりの十両として復帰。再度の挑戦が始まった。

2005年11月場所ではいい成績を収め、敢闘賞を受賞した。その後も力士としての経験を活かし、2006年1月場所には西前頭3枚目にまで番付を上げたが、成績的には振るわず、4勝11敗で終えることとなった。しかし、大関の魁皇や白鵬に勝つなどの素晴らしい試合もあった。

2007年に入ると、元客室乗務員の女性との婚約を発表し、結婚式も行った。私生活では支え合う存在として彼女があり、応援が彼の成長にも繋がった。しかし、その後も十両での成績は悪化し、2008年1月場所には十両最下位にまで陥落。連敗の末、現役を引退する決断を下し、同年1月24日には年寄・二十山を襲名した。

現在の活動

引退後は春日野部屋で後進に指導を行っている。現役時代には、その美男ぶりと明るい性格から多くのファンに支持されていた。弟も地元で家業を継ぎながら、彼をサポートし、二人の関係は非常に親密である。

2009年には合同で行われた引退相撲に栃栄と共に参加し、久々の豪華なイベントとして脚光を浴びた。さらに、COVID-19関連のニュースもあったが、彼は強い意思を持って前へ進んでいる。

主な成績

通算成績は449勝439敗、幕内成績は155勝194敗であり、特に幕内在位は24場所。三賞は4回受賞しており、十両での優勝も果たしている。これまでの多くの試合での経験と実績は、彼の卓越した力量を証明している。そして、人生の中で培った絆は、栃乃花仁の力士としてだけでなく、個人としての成長をも象徴している。

もう一度検索