いわて沼宮内駅

いわて沼宮内駅：東北新幹線と在来線の交差する歴史ある駅

岩手県岩手郡岩手町にあるいわて沼宮内駅は、JR東日本東北新幹線とIGRいわて銀河鉄道線の接続駅として、地域の交通を支える重要な役割を担っています。1891年（明治24年）に日本鉄道沼宮内駅として開業して以来、長きに渡り地域住民の生活と深く関わってきた歴史ある駅です。

駅の歴史：明治時代から現代まで

明治24年の開業以来、東北本線の中間駅として、数々の急行列車や特急「はつかり」が停車するなど、盛況を極めました。特に東北本線が非電化だった時代には、十三本木峠越えのための補助機関車の連結・解結が行われるなど、重要な拠点としての役割を担っていました。

1993年以降は定期優等列車の停車がなくなりましたが、2002年1[[2月1日]]、東北新幹線が八戸駅まで延伸開業したことに伴い、新幹線停車駅となりました。岩手町の代表駅としての位置づけを明確にするため、駅名は「いわて沼宮内駅」へと改称されました。同時に、東北本線の岩手川口駅～盛岡駅間がIGRいわて銀河鉄道に移管され、現在では東北新幹線といわて銀河鉄道線の接続駅という、ユニークな形態となっています。

駅舎は2002年に現在の建物が完成しており、岩手町広域交流センター「プラザあい」に併設されています。JRとIGRの改札口は「プラザあい」3階と駅東口を結ぶコンコースで繋がっています。

駅の構造：新幹線と在来線の異なる姿

JR東日本の東北新幹線ホームは、駅舎4階部分に位置する高架駅で、相対式ホーム2面2線からなります。安全対策として可動式安全柵が設置されています。ホームの有効長は12両分となっており、これは利用客数などを考慮した結果です。新幹線停車本数は、東京駅発着の「はやぶさ」7往復と仙台駅発着の「はやぶさ」1往復の計8往復です。

一方、IGRいわて銀河鉄道のホームは地上駅で、単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線、合計2面3線から構成されています。ホーム間は跨線橋で連絡しており、IGR開業時に2・3番線ホームにエレベーターが設置されました。

利用状況：新幹線駅として、そして在来線駅として

JR東日本の東北新幹線としては、2023年度の1日平均乗車人員は72人と、JR東日本の新幹線停車駅の中で最も少ない駅の一つとなっています。これは、全国の新幹線駅の中でも少ない部類に入り、奥津軽いまべつ駅、木古内駅に次いで3番目に少ない乗車人員となっています。

IGRいわて銀河鉄道線は2023年度の1日平均乗降人員が717人です。盛岡方面への通勤通学利用も多いことから、朝夕は駅周辺が混雑する時間帯があります。

駅周辺とその他

駅周辺にはバス路線が乗り入れており、岩手町内や近隣地域へのアクセスに便利です。かつてはJRバス東北岩手支所があり、白樺号の乗務員交代も当駅で行われていました。また、駅弁の販売も行われていた時期もありましたが、現在は販売されていません。

「うまくない」とかけて「沼宮内」という、古くから伝わる洒落も知られています。これは、駅弁売りが「弁当、弁当」と呼びかけると、駅のアナウンスが「ぬまくない」と続くというものです。

いわて沼宮内駅は、歴史と現代が交差する、独特の雰囲気を持つ駅です。新幹線と在来線の接続駅として、そして岩手町の代表駅として、これからも地域社会に貢献していくことでしょう。

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