平庭高原線

平庭高原線とは

平庭高原線は、岩手県盛岡市と久慈市を結ぶJRバス東北が運行する路線バスです。正式には盛岡駅 - 茶屋場間が沼宮内本線、茶屋場 - 久慈駅間が平庭高原本線ですが、現在は全区間を通して「平庭高原線」として案内されています。この路線は、鉄道の短絡と地域輸送を目的としており、その歴史は1939年（昭和14年）に沼宮内 - 茶屋場間で運行を開始したことに遡ります。当初は、鉄道敷設の先行路線としての役割を担っていました。

歴史

1939年に沼宮内 - 茶屋場間が開業し、その後、1943年には茶屋場 - 久慈間が開業しました。戦時中は貨物輸送に重点が置かれましたが、終戦後には地域輸送の役割が重要になりました。1956年には陸中小国線、1958年には下屋敷循環線が開設され、路線の拡充が進められました。

1971年には、盛岡駅と久慈駅を結ぶ特急バス「白樺号」の運行が開始されました。当初は主要集落のみに停車し、盛岡 - 久慈間を約3時間で結ぶ速達性が特徴でした。当初はバス急行券が必要でしたが、後に廃止され、一般路線バスとして利用できるようになりました。東北新幹線の開業後には、観光バスとの接続も行われるなど、路線の強化が図られました。

2008年には、利用客の減少により陸中小国線が廃止されました。また、下屋敷循環線も岩手県北バスに移管されました。2022年には盛岡バスセンターへの乗り入れが開始され、利便性が向上しました。

運行形態

現在の平庭高原線は、1日5往復で運行されています。盛岡バスセンターを起点に、盛岡駅、いわて沼宮内駅、葛巻駅などを経由し、久慈駅へと至ります。途中、道の駅くずまき高原で5分間の休憩があります。

盛岡バスセンター - 城山間は岩手県北バスと、盛岡バスセンター - 巣子間は岩手県交通と競合する区間ですが、平庭高原線は一部の停留所を除き通過します。盛岡バスセンターおよび盛岡駅での乗り場は、他社とは異なります。

上り便では、巣子停留所発車後に次の停車停留所について案内放送が流れます。

廃止路線

平庭高原線には、過去に以下の路線がありました。

下屋敷循環線：いわて沼宮内駅を起点とする循環路線で、2004年に岩手県北バスに移管されました。
陸中小国線：久慈駅を起点とする路線で、2008年に廃止されました。一部区間は久慈市からの受託運行でした。

その他の情報

白樺号は前乗り前降り方式です。
JRバス盛岡駅の自動券売機で購入した乗車券は、平庭高原と陸中山形で途中下車が可能です。
交通系ICカード（iGUCA、Iwate Green Passなど）が利用可能です。また、ジャパンレールパスやJR East Passも利用できます。
岩手県北バスの「iGUCA」を利用した場合、交通ポイントが付与されます。
白樺号用「iGUCA」定期券は、岩手県北バスの盛岡駅前案内所と久慈営業所で発売しています。
かつて、白樺号の乗務員は、いわて沼宮内駅や葛巻駅で交代していましたが、両支所が廃止されたため、現在は盛岡バスセンター - 久慈駅間を通しで乗務しています。
陸中小国線は、陸中山形で一旦運賃を支払い、下車時に追加運賃を支払うシステムでした。

現在、平庭高原線は国土交通省と岩手県の補助金を受けて運行されています。

関連情報

スーパー久慈

参考文献

鈴木文彦「岩手のバスいまむかし」

外部リンク

JRバス東北 盛岡 - 葛巻・久慈（白樺号）

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