山手治之

山手治之：国際法と国際経済法の権威

山手治之（やまて はるゆき）は、1928年4月15日に広島県広島市で生まれ、日本の国際法学者として著名な人物です。立命館大学名誉教授の称号を持ち、国際法、国際経済法、EU法（EC法）を専門としています。その学術的な貢献は多岐にわたり、日本の国際法研究の発展に大きく寄与しました。

生い立ちと学歴

山手治之は、広島県安佐郡深川村（現在の広島市安佐北区）で生を受けました。旧制崇徳中学校、海軍兵学校を経て、戦後に旧制山口高等学校理科甲類に進学。その後、京都大学法学部に進み、同大学院法学研究科を修了しました。これらの教育機関での経験が、彼の法学研究の基礎を形成しました。

立命館大学での教育・研究活動

1952年、山手治之は立命館大学法学部助手として教員のキャリアをスタートさせました。その後、専任講師、助教授を経て、1966年に教授に就任。長年にわたり国際法を教鞭を執り、数多くの学生を育成しました。1969年から1970年には教学部長として、当時の大学紛争の解決に尽力しました。また、1970年から1972年にかけてはロンドン大学ユニバーシティ・カレッジに留学し、国際法の研究を深めました。

1978年から1980年には、立命館大学法学部長・大学院法学研究科長を務め、大学運営にも貢献。1988年には国際関係学部に異動し、1992年から1994年まで大学院国際関係研究科長を務めた後、定年退職を迎えました。立命館大学からは名誉教授の称号が贈られています。

京都学園大学での活動

立命館大学退職後、1994年に京都学園大学法学部教授に就任。ここでは国際経済法を担当しました。1995年から1997年には法学部長・大学院法学研究科長を務め、1997年からは特任教授として教鞭を執りました。2002年に京都学園大学を退任するまで、教育・研究活動を継続しました。

学会活動

山手治之は、国際法学会、日本国際経済法学会、日本EU学会（旧EC学会）など、多くの学会で要職を歴任しました。国際法学会では理事を、日本国際経済法学会では理事長を務めるなど、日本の国際法研究を牽引しました。また、EU学会（旧EC学会）でも理事長を務め、国際的な学術交流にも貢献しました。

主要な職歴

以下に山手治之の主要な職歴をまとめます。

立命館大学法学部教授 (1966年4月 - 1988年3月)
立命館大学教学部長 (1969年4月 - 1970年3月)
立命館大学法学部長・大学院法学研究科長 (1978年4月 - 1980年3月)
立命館大学国際関係学部教授 (1988年4月 - 1994年3月)
立命館大学大学院国際関係研究科長 (1992年4月 - 1994年3月)
京都学園大学法学部教授 (1994年4月 - 1997年3月)
京都学園大学法学部長・法学研究科長 (1995年4月 - 1997年3月)
京都学園大学法学部特任教授 (1997年4月 - 2002年3月)

所属学会

国際法学会
日本国際経済法学会
日本EU学会（旧EC学会）
世界法学会

著作

山手治之は、国際法に関する多くの著書や共著を発表しています。

著書
『国際法論序説』（法律文化社、1962年）

共編著
『あたらしい法学』（天野和夫・乾昭三等編、有信堂、1964年）
『国際法概説』（香西茂他著、有斐閣、1967年）
『法学入門』（中川淳等編、東信堂、1969年）
『海洋法の新秩序』（林久茂・香西茂等編、東信堂、1993年）
『国際経済法』（丹宗暁信・小原喜雄等編、青林書院、1993年）
『国際経済条約・法令集』（小原喜雄・小室程夫等編、東信堂、1997年）
『ベーシック条約集』（香西茂・松井芳郎等編、東信堂、2003年）

訳書
『軍備競争』（ノエル=ベーカー著・前芝確三等訳、岩波書店、1963年）
* 『EC法入門』（P.S.R.F.マテイセン著、有斐閣、1982年）


山手治之は、その長年の教育・研究活動を通じて、日本の国際法分野における重要な貢献者としての地位を確立しました。その業績は、今後の国際法研究においても重要な指針となるでしょう。

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