山田均 (東南アジア学者)

山田 均（やまだ ひとし）について

山田均氏は1959年生まれの日本の宗教学者で、僧侶としても著名です。東京都練馬区出身で、早稲田中学校・高等学校を卒業後、早稲田大学第一文学部に進学しました。在学中は、平川彰教授の下でサンスクリットと仏教学を学び、1983年に同大学東洋哲学科を卒業しました。

その後の大学院では、東洋学を福井文雅教授に、タイ仏教を石井米雄教授に学び、実際にタイに留学してクメール碑文研究に従事しました。ウライスィー・ウォーラッサリン教授の指導の下、実践的な研究に取り組みました。また、山田氏はそのエッセイを書く才能でも知られ、特に「タイの壷」や「タイの鍵」など、軽妙な文体で東南アジアの文化を紹介しています。

学問とキャリア

山田氏のキャリアは多岐にわたります。彼は無外流居合兵道の皆伝免許を持ち、富木流合気道や小笠原流弓馬術、さらには講道館の柔道も学び、身体表現を取り入れた宗教教育の重要性を強調しています。また、ピアノは大藪祐歌という著名なピアニストに師事し、多才な一面を持っています。

専門分野は主に東南アジアの仏教史であり、特に1990年代以降はタンマユット派の研究に取り組んできました。山田氏は1986年から1987年にかけてバンコクのワット・ボウォーンニウェート寺にて出家生活を送り、その後も仏教の教えを広める活動を続けています。

1988年に早稲田大学大学院文学研究科の博士前期課程を修了し、1991年には博士後期課程を単位取得退学して、日本学術振興会の特別研究員に就任。その後、名桜大学で国際学部の助教授、教授を歴任し、2005年には早稲田大学で博士（文学）の学位を取得しました。2008年より名桜大学の教授職、2018年には武蔵野大学で教授・学外学修推進センター長に就任。2025年には名誉教授となる予定です。

主著と研究成果

山田均氏の著作は、東南アジア、特にタイの仏教に関する多くの論文と書籍に及びます。主な著作には、『タンマユット派の研究』（五曜書房）、『タイ国法における僧団の位置』（「パーリ学仏教文化学」など）、また『タイを歩く』（YOU出版）があります。彼の研究成果は、学術雑誌や書籍を通して広く読まれており、特にタイの仏教文化に関する洞察が高く評価されています。

山田氏の活動は、単に学術的な知識を超え、タイ文化や言語の普及活動にも貢献しています。彼の監修によるNHKのテレビ番組『アジア語楽紀行 旅するタイ語』も、多くの人々に影響を与えています。

受賞歴

山田均氏はその業績により、1988年に小野梓記念学術賞を受賞した経歴も持ち、学術界でも高く評価されています。彼の専門分野における知識と情熱は、今後も多くの人々に影響を与えていくことでしょう。

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