山田景隆

山田景隆（やまだ かげたか）とは

山田景隆は、戦国時代から安土桃山時代にかけて活躍した日本の武将です。今川氏に仕官していた彼は、三河国に属する一族の出身で、通称は新次郎として知られています。

経歴

三河国の山田氏は、尾張源氏に属する武士であり、元々は尾張国の山田郡を名の由来としています。しかし、建武2年（1335年）に祖先の山田頼範が三河国の設楽郡に移住し、その後この地を本拠地として発展しました。景隆の代に至るまで、山田氏は地域の有力な武士として知られていました。特に、景隆の祖父は川手城に入城し、以降この城は家族の拠点となりました。家紋は「丸に二つ引（引両紋）」です。

景隆は、今川家における三河方面の重要な奉行人の一人と見なされていました。彼の活動の一つとして、天文20年（1551年）12月2日に、山新として名乗った彼が松平忠茂宛てに血判起請文を発表したことが記録されています。これは、飯尾豊前守や二俣近江守らとともに、今川家の三河方面における軍事指揮権を有していたことを示唆していると考えられています。

戦績とその後の動向

永禄3年（1560年）、武田氏による北三河の侵攻により川手城は陥落しました。この戦において、景隆の子息たちは武田氏に降伏することとなります。子の良則は、今川氏滅亡後に武田の重臣である山県昌景に仕官し、その後立身出世を果たしました。昌景の赤備えを受け継いだ井伊直政も有名な武将です。

史料

歴史的な証拠として、景隆に関連する重要な史料がいくつか存在します。そのひとつが「河手若宮鰐口」で、これは銘文に「河手若宮鰐口大旦那宗泰新次郎景隆 天文二十二年霜月吉日」と記されています。また、「岡崎城代山田景隆等連署血判起請文」といった文書も観泉寺に所蔵され、彼の知名度や地位を裏付ける資料として注目されています。

参考文献

山田景隆についてさらに深く知りたい方は、以下の文献を参考にすると良いでしょう。

• - 小和田哲男著『今川義元のすべて』（新人物往来社、1994年） ISBN 978-4-404-02097-0
• - 観泉寺史編纂刊行委員会編『今川氏と観泉寺』（吉川弘文館、1974年）
• - 北設楽郡史編纂委員会編『北設楽郡史 原始-中世』（1968年）

彼の活動は、戦国時代の複雑な武士の世界を理解する上で貴重な資料となっています。

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