山田満郎

山田 満郎の業績と影響

山田満郎（やまだ みつろう、1943年 - 2016年）は、日本の美術セットデザイナーとして著名でした。東京に生まれ、武蔵野美術大学の芸能デザイン科を卒業した彼は、1967年にTBSに入社しました。特に彼の名が広く知られるようになったのは、1969年10月に始まった人気バラエティ番組『8時だョ!全員集合』における作品によるものです。これ以降、山田は第765回放送までのすべてのセットデザインを担当しました。

経歴のハイライト

山田は、TBSに入社してからわずか2年後には、全国的な人気番組のデザインに携わることになりました。彼が担当した『全員集合』は、コメディ界の金字塔とされ、視覚的にも印象的なセットが多く登場しました。1980年には、彼のデザインが評価され、バラエティ番組史上初となる伊藤熹朔賞を受賞。特に彼の作品は、ただの美術的表現ではなく、ストーリーやコントの要素を強化する重要な要素とされていました。

山田は1985年に『8時だョ!全員集合』を離れた後、TBS美術センターでの職務や、東放学園専門学校での講師を経て、フリーのデザイナーとして活動を続けました。また、NPO法人「テレビ日本美術家協会」の監事も務め、業界の発展に貢献しました。しかし2016年、肝臓がんにより73歳で他界しました。

逝去後の評価

彼の死後、山田の業績を称えるイベントが開催されました。2017年に東京都調布市で行われた『視聴者驚かせたセットの数々を振り返る「8時だョ!全員集合」展』では、彼のデザインしたセットが再度評価される機会となりました。また、杉並区立郷土博物館では、彼が撮影したリハーサル風景の写真も含まれる企画展が開催され、彼の功績が再認識されました。

印象に残るエピソード

山田は『8時だョ!全員集合』の制作開始前に「TBSの美術に不可能はない」と宣言しました。この言葉通り、約16年間にわたり、ネタ作りの会議で決まったアイデアを、全て実現していきました。例えば、360度回転する山小屋が設計され、加藤茶があたかも寝ているかのようにふらふら起き上がるシーンを作り出しました。また、布で描かれた背景に実体の扉を設置することで、観客に驚きを与えました。

さらに、建物の屋根にパトカーを飛び込ませるような大胆なアイデアや、階段や壁に顔を描いて音楽に合わせて動くセットなど、数多くの印象的なデザインを手がけました。

また、彼が担当した番組には『パンとあこがれ』や『進め!ドリフターズ』、さらには『クイズダービー』など多岐に渡り、メディアにおける美術の役割を広げました。彼の著書『8時だョ!全員集合の作り方』では、その独創的なアプローチや思考過程が記されています。

彼の遺産

山田のセットデザインは、視覚的な要素を強化すると同時に、コメディの表現にも新たな次元を加えるものでした。彼の功績は、今日のテレビ製作にも多大な影響を与え続けています。彼の名前は、バラエティ番組の発展と共に永遠に記憶されることでしょう。

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