山田鋭夫

山田鋭夫：経済学におけるレギュラシオン理論の権威

山田鋭夫（やまだ としお）は、日本の経済学界において非常に重要な人物であり、特にレギュラシオン理論に関する研究で知られています。1942年1月3日に名古屋で生まれた彼は、愛知県立旭丘高等学校を卒業後、名古屋大学の経済学部に進学し、その後大学院に進みました。平田清明教授の指導のもと、彼は多くの学問的成果を上げました。

1989年には「経済学批判の近代像」というテーマで大阪市立大学から経済学博士を取得しました。その後、滋賀大学や大阪市立大学で教鞭を執った後、1990年に名古屋大学経済学部の教授に就任しました。1999年には経済学部長として指導的な役割を果たし、2005年には名誉教授として定年退官しました。その後、九州産業大学でも教授としての活動を続け、2012年には退職しました。これまでの彼の業績は多岐にわたり、2020年には瑞宝中綬章、2021年には現代公共政策学会賞を受賞するなど、高い評価を受けています。

さらに、山田氏のプライベートについても触れておくべきでしょう。彼はフランス文学者の山田登世子と結婚しています。この夫婦は、学問に対する情熱を共有しており、お互いの研究にインスピレーションを与え合っていることで知られています。

主な著作

山田鋭夫の著作は非常に多岐にわたっており、経済学界で重要な役割を果たしています。

• - 『経済学批判の近代像』（1985年、有斐閣）は、近代の経済学批判を扱った彼の初期の重要な作品です。
• - 『レギュラシオン・アプローチ 21世紀の経済学』（1991年、藤原書店）や、増補新版が1994年に出版された作品では、レギュラシオン理論を詳しく論じています。
• - 『レギュラシオン理論 経済学の再生』（1993年、講談社現代新書）の中で、彼は経済学の新しいアプローチを提案し、次世代の学者に影響を与えることになりました。
• - 『20世紀資本主義 レギュラシオンで読む』（1994年、有斐閣）は、資本主義の動向をレギュラシオン理論の観点から探求した作品です。
• - 近年では 『ウェルビーイングの経済』（2022年、藤原書店）を含む、現代経済に関連するテーマに対しても積極的に執筆を行っています。

共同著作と翻訳活動

また、彼は数多くの共著や編著、翻訳も手掛けており、次世代の学者の育成にも寄与しています。たとえば、『講座マルクス経済学 6-7 コンメンタール「経済学批判要綱」（上・下）』（1974年、日本評論社）や、『現代市民社会の旋回』（1987年、昭和堂）などは、彼の学問的な幅広さを示す良い例です。翻訳活動においても、ロベール・ボワイエやイマニュエル・ウォーラーステインといった海外の著名な学者の作品を日本に紹介することで、日本における経済学の発展に寄与しています。

結論

山田鋭夫の研究は、レギュラシオン理論を基盤にして経済学の新しい視座を提供するものであり、今後の研究者にも大きな影響を与えることでしょう。彼の業績は、経済学の枠を超え、市民社会論や公共政策においても有意義な視点を提供しており、日本の学問界において重要な存在であり続けています。

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