平田清明

平田清明（ひらた きよあき）

平田清明は、1922年8月17日に東京で生まれ、1995年3月1日に72歳で亡くなった日本の経済学者です。経済史とマルクス経済学を専門とし、京都大学名誉教授を務めました。正四位勲二等瑞宝章を受章。

人物

平田は、高島善哉ゼミの出身で、市民社会論を展開しました。また、経済理論学会全国幹事を務めた他、京都西山の自然と文化を守る会会長、フォーラム90s呼びかけ人、トロツキー50周年実行委員会世話人など、社会活動にも積極的に関与しました。作家の杉本苑子が直木賞を受賞した「孤愁の岸」に登場する宝暦治水事件の総奉行、平田靱負の末裔としても知られています。

略歴

1922年：東京市（現：東京都千代田区）に生まれる。
1947年：東京商科大学（現：一橋大学）を卒業。
1949年：東京商科大学特別研究生を修了。
1950年：横浜国立大学横浜経済専門学校に勤務。
1952年：横浜国立大学経済学部助教授に就任。
1959年：埼玉大学経済短期大学部助教授に転任。
1965年：名古屋大学経済学部助教授に就任。
1970年：名古屋大学経済学部教授に昇任。
1978年：京都大学経済学部教授に就任。
1982年：京都大学経済学部長・大学院経済学研究科長に就任（1984年まで）。
1984年：パリ第7大学およびパリ第3大学客員教授を務める（1985年まで）。
1986年：京都大学を定年退官。
1986年：神奈川大学経済学部教授に就任。
1988年：京都大学名誉教授の称号を受ける。
1990年：神奈川大学副学長に就任（1993年まで）。
1993年：立命館大学産業社会学部客員教授に就任。
1994年：鹿児島経済大学学長に就任。
1995年：鹿児島大学病院で死去。

研究活動と業績

平田清明は、経済史とマルクス経済学を専門とし、市民社会論を展開しました。彼の研究は、経済学の理論と歴史的文脈を結びつけ、社会の構造と変革に対する深い洞察を提供しました。著書を通じて、経済学の基礎理論から社会思想史、現代社会の分析まで、幅広いテーマに取り組みました。

弟子

平田は多くの優秀な弟子を育成しました。主な弟子として、名古屋大学時代の山田鋭夫教授、八木紀一郎教授、植村邦彦名誉教授、若森章孝名誉教授、斉藤日出治名誉教授、神奈川大学時代の丹野清人教授などがいます。これらの弟子たちは、それぞれの分野で活躍し、平田の学問的遺産を継承しています。

叙位・叙勲

平田は、1995年3月28日に正四位勲二等瑞宝章を授与されました。

親族

妻は1927年生まれで、東京学芸大学を卒業。長女の平田郁美は物理学者で、群馬県教育委員会教育長を務めています。長男の平田隆は、株式会社アールテック・ウエノの取締役常務執行役員を務めています。

主要著書

『経済科学の創造――「経済表」とフランス革命』（岩波書店、1965年）
『市民社会と社会主義』（岩波書店、1969年）
『経済学と歴史認識』（岩波書店、1971年）
『社会形成の経験と概念』（岩波書店、1980年）
『コンメンタール『資本』』（日本評論社、1980年）
『経済学批判への方法叙説』（岩波書店、1982年）
『新しい歴史形成への模索』（新地書房、1982年）
『異文化とのインターフェイス』（世界書院、1987年）
『自由時間へのプレリュード』（世界書院、1987年）
『市民社会とレギュラシオン』（岩波書店、1993年）
『市民社会思想の古典と現代――ルソー、ケネー、マルクスと現代市民社会』（有斐閣、1996年）

共著

（高島善哉・水田洋）『社会思想史概論』（岩波書店、1962年）
（宮崎義一・篠原一）『転換期の思想』（新地書房、1978年）
（山田鋭夫・加藤哲郎・黒沢惟昭・伊藤正純）『現代市民社会と企業国家』（御茶の水書房、1994年）

編著

『社会思想史』（青林書院新社、1979年）
『経済原論――市民社会の経済学批判』（青林書院新社、1983年）

共編著

（山田鋭夫・八木紀一郎）『現代市民社会の旋回』（昭和堂、1987年）

訳書

ジャン・バビー『経済学の基本原理』（大月書店、1953年）
ガローデイ『近代フランス社会思想史』（ミネルヴァ書房、1958年）
A・トゥレーヌ『ポスト社会主義』（新泉社、1982年）
ジャック・アタリ『情報とエネルギーの人間科学――言葉と道具』（日本評論社、1983年）
『ケネー経済表』（岩波書店、1990年）

平田清明の業績は、経済学、社会思想史、そして現代社会の理解において重要な貢献をしています。彼の研究は、学問分野だけでなく、社会の発展と進歩にも大きな影響を与えました。

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