山田順策

山田順策の生涯

山田順策（やまだ じゅんさく）は、1887年（明治20年）に静岡県で生まれ、歯科医師、政治家、実業家として多岐にわたる分野で活躍した人物です。1961年（昭和36年）に74歳で亡くなるまで、地域社会の発展に大きく貢献しました。

若き日の歩みと歯科医師としての活動

1887年（明治20年）2月23日、山田順策は静岡県庵原郡瀬名村（現在の静岡市葵区）で誕生しました。静岡県立静岡中学校を卒業後、東京歯科医学専門学校（現在の東京歯科大学）に進学。1911年（明治44年）に卒業し、歯科医師としてのキャリアをスタートさせました。翌1912年（大正元年）には静岡市に歯科医院を開業し、地域医療に貢献しました。

政治家としての活動

1921年（大正10年）、山田順策は静岡市会議員に当選し、政治の世界へ足を踏み入れます。以降25年もの間、市会議員として活動しました。1931年（昭和6年）には静岡県会議員にも選出され、県政にも関わるようになります。当時は市会議員と県会議員の兼任が可能であったため、両方の職務を兼務しました。また、静岡乗合自動車協会会長、日本乗合自動車協会副会長など、交通関連の要職も歴任しました。

1937年（昭和12年）には、立憲民政党公認で衆議院議員選挙に初当選。帝国議会議員と市会議員を兼任しながら、国政にも携わりました。1942年（昭和17年）には、翼賛政治体制協議会の推薦候補として衆議院議員に再選され、翼賛政治会・大日本政治会に所属しました。

実業家としての活動

山田順策は、実業家としても優れた手腕を発揮しました。1923年（大正12年）には静岡自動車株式会社を設立し、初代社長に就任。1925年（大正14年）には静岡県自動車組合連合会会長も務めました。1940年（昭和15年）には、静岡県自動車学校を設立し、自動車業界の発展に貢献しました。また、1942年（昭和17年）には静岡市信用組合（現在のしずおか焼津信用金庫）の組合長に就任し、金融分野でも活躍しました。その他、静岡交通自動車株式会社の取締役社長、静岡女子薬学専門学校（現在の静岡県立大学薬学部）の理事長も務めるなど、その活動は多岐にわたります。

戦後の活動と静岡市長としての功績

戦後、山田順策は公職追放となりますが、追放解除後の1951年（昭和26年）には静岡薬学専門学校の理事長に復帰。1953年（昭和28年）には静岡信用金庫の理事長に就任しました。そして、1955年（昭和30年）には静岡市長選挙に立候補し、見事当選。政界に復帰を果たしました。

市長在任中は、市政の改革と刷新に尽力。就任からわずか2年で、長年抱えていた約1億2千万円の赤字を解消するという偉業を成し遂げました。また、県市長会長、東海地区市長会長、全国市長会副会長も歴任し、その手腕を発揮しました。

1959年（昭和34年）に静岡市長を退任し、政界から引退。その後も、全国信用不動産会社の取締役を務めるなど、社会貢献を続けました。1960年（昭和35年）には藍綬褒章を受章、1961年（昭和36年）には勲三等旭日中綬章を受章しました。

親族

山田順策の孫である山田誠は静岡県議会議員を務めています。

まとめ

山田順策は、歯科医師として地域医療に貢献する傍ら、政治家、実業家としても多岐にわたる分野で活躍しました。特に静岡市長としては、その卓越したリーダーシップにより、市の財政再建に大きく貢献しました。彼の生涯は、地方自治の発展に尽くした人物として、後世に語り継がれるでしょう。

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