山陽塩屋駅

山陽塩屋駅：神戸の沿岸を走る歴史ある駅

山陽塩屋駅は、兵庫県神戸市垂水区塩屋町に位置する山陽電気鉄道本線の駅です。駅番号はSY08。1913年、兵庫電気軌道の終着駅として開業し、以来、神戸の沿岸地域を支える重要な交通拠点として、長きにわたって人々の生活に寄り添ってきました。

開業から現在まで：歴史を刻む駅

山陽塩屋駅の歴史は、1913年5月11日に兵庫電気軌道が現在の山陽須磨駅付近から延伸した際に、終着駅「塩屋駅」として開業したことに始まります。その後、路線延伸や合併を経て、1933年には山陽電気鉄道の駅となりました。1943年には「電鉄塩屋駅」に改称され、1991年には現在の「山陽塩屋駅」に改称されています。

その歴史の中で、1967年には駅構内で爆破事件が発生するなど、幾多の出来事を経験しました。また、1995年の阪神・淡路大震災では、駅施設に甚大な被害を受け、一時営業を中止せざるを得ませんでした。しかし、被災からの復興を経て、1996年には新しい駅舎が完成し、現在に至っています。震災時には、仮駅舎が東側に約300m離れた国道2号線沿いに設置され、地上駅として営業を継続しました。仮駅舎は相対式2面2線ホームの構造で、構内踏切を備えていました。

駅の構造とバリアフリー

現在の山陽塩屋駅は、高架駅で相対式2面2線のホームを有しています。改札口は1階に1ヶ所のみ、窓口は無人化されています。ホームは2階に位置し、改札機はGX-8が導入されています。バリアフリー対策として、エレベーターや車椅子対応トイレも設置されています。

利用状況と周辺環境

2022年度の1日あたりの乗車人員は約715人です。山陽電鉄全駅の中では比較的利用客の少ない駅ですが、塩屋海岸やジェームス山（異人館）といった観光地、神戸塩屋郵便局などに近接しており、地域住民の生活と観光客の利用を支える重要な役割を担っています。駅東側には塩屋谷川が流れ、大阪湾に注いでいます。また、当駅と東隣の須磨浦公園駅の間を境川が流れ、かつての摂津国と播磨国の国境であったことに由来する歴史的な側面も持ち合わせています。駅周辺にはバス路線も整備され、利便性が確保されています。

過去の駅と現在の路線

かつては、山陽須磨駅と山陽塩屋駅の間には、一ノ谷駅、敦盛塚駅、境浜駅、東塩屋駅が存在していました。現在では、山陽電鉄本線の普通列車が停車し、直通特急やS特急は通過します。隣の駅は、須磨浦公園駅と滝の茶屋駅です。

まとめ

山陽塩屋駅は、長い歴史と幾多の出来事を経て、現代にその姿を残す駅です。震災からの復興、バリアフリー化、周辺地域の変遷など、様々な要素が複雑に絡み合い、現在の駅の姿を形作っています。これからも、神戸の沿岸地域の人々の生活を支え、観光客をも迎え入れる、地域に密着した駅として、その役割を果たし続けるでしょう。

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