山陽郡

山陽郡は、中国にかつて存在した郡であり、漢代から三国時代にかけて、現在の山東省西部に設置されていました。

概要

山陽郡は、その成立から廃止、そして再設置という変遷をたどりました。

前漢時代: 紀元前144年（景帝中6年）に、梁王劉武の死後、その子である劉定が山陽王に封じられ、梁国が分割されて山陽国が置かれました。しかし、紀元前136年（建元5年）に劉定が亡くなると、山陽国は廃止され、山陽郡が設置されました。
昌邑国への改称: 紀元前97年（天漢4年）には、劉髆が昌邑王に封じられたことに伴い、山陽郡は昌邑国と改称されました。しかし、紀元前63年（元康3年）に昌邑王劉賀が海昏侯となると、昌邑国は廃止され、再び山陽郡に戻されました。
管轄下の県: 山陽郡は兗州に属し、昌邑、南平陽、成武、湖陵、東緡、方与、橐、鉅野、単父、薄、都関、城都、黄、爰戚、郜成、中郷、平楽、鄭、瑕丘、甾郷、栗郷、曲郷、西陽の23県を管轄していました。前漢末には17万2847戸、80万1282人の人口を抱えていました。
王莽の時代: 王莽の時代には、鉅野郡と改称されました。
後漢時代: 新末に梁王劉永がこの地を支配すると、山陽郡の名称に戻されました。39年（建武15年）に後漢の光武帝の子である劉荊が山陽公となり、41年（建武17年）に山陽王に進み、山陽国が再び立てられました。しかし、58年（永平元年）に劉荊が広陵王に移封されると、山陽国は廃止され、再び山陽郡となりました。この時、山陽郡は昌邑、東緡、鉅野、高平、湖陸、南平陽、方与、瑕丘、金郷、防東の10県を管轄しました。
三国時代: 212年（建安17年）に献帝の子である劉懿が山陽王に封じられると、山陽郡は山陽国と改められました。220年（黄初元年）に曹魏が建てられると、山陽国は再び山陽郡となりました。そして、265年（泰始元年）に西晋が建国されると、山陽郡に高平国が置かれました。

このように、山陽郡は時代によってその名称や管轄、そして国の所属を変えながら、歴史の中で重要な役割を果たしました。

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