山﨑健

山﨑 健

山﨑 健（やまさき けん、1972年10月21日生）は、東京都調布市出身の元プロ野球選手であり、投手として主に広島東洋カープと千葉ロッテマリーンズで活躍しました。右投げ右打ち。

輝かしいアマチュア時代とプロ入り

野球のキャリアは地元の調布リトルでスタートし、このチームでは全国大会で優勝を経験。高校は強豪として知られる関東一高に進学し、1年生の夏には早くも都大会でノーヒットノーランという快挙を達成します。3年生の夏には念願の甲子園に出場し、マウンドだけでなく打撃でもチームを牽引する存在でした。

高校卒業を控えた1990年のドラフト会議で、広島東洋カープから4位指名を受け、プロ野球選手としての第一歩を踏み出します。

広島時代：転機と「虎キラー」

プロ入り当初はオーバースローでしたが、1993年に一軍デビューを果たすも、なかなか成績が安定しませんでした。そこで、当時読売ジャイアンツのエースだった斎藤雅樹投手の投球フォームを参考に、サイドスローへの大胆な転向を決断します。このフォームチェンジが転機となり、特に阪神タイガース戦で驚異的な勝負強さを発揮。「虎キラー」という異名で恐れられる存在となりました。

サイドスロー転向が実を結んだのが1996年シーズンです。この年は圧巻の投球でリーグ最多タイとなる4つの完封勝利をマーク。奇しくも、彼が投球スタイルを参考にした巨人の斎藤雅樹投手と同数の完封を記録し、大きな話題となりました。特に同年5月26日に広島市民球場で行われた巨人戦では、斎藤雅樹投手との直接対決が実現。山﨑投手は斎藤投手自身による二塁打を含むわずか4安打に相手打線を抑え込み、スコア2対0で見事な完封勝利を飾りました。この完封は、山﨑投手にとって対巨人戦での唯一の完封勝利として記録されています。

しかし、1997年以降は再び成績が伸び悩み、2000年には27試合に登板して6勝を挙げるなど復調の兆しを見せるも、2001年シーズン終了後に自由契約となります。

ロッテ時代：リリーフとしての貢献と1球勝利

自由契約後、すぐに千葉ロッテマリーンズへ移籍。当時のロッテには「YFK」（薮田、藤田、小林）という強力なリリーフ陣がいましたが、軟投派の山﨑投手は彼らとは異なるタイプの中継ぎとして、ブルペンを支える重要な役割を担いました。

ロッテ時代の最も印象的な出来事の一つが、2005年6月11日の対中日ドラゴンズ戦です。この試合で、彼は代打の荒木雅博選手に対し、わずか1球でセカンドゴロに打ち取りました。これが決勝点につながり、山﨑投手は自身5年ぶりとなる勝利投手となります。この「1球での勝利」はプロ野球史上20人目、そしてこの年にスタートしたセ・パ交流戦においては史上初となる記録として、野球史にその名を刻みました。

現役引退、そして新たな道へ

2006年以降は一軍登板がなく、2007年オフに球団から戦力外通告を受け、現役生活にピリオドを打ちました。

引退後、2008年4月には古巣・広島の在京担当スカウトに就任しますが、同年6月には退団。翌2009年には千葉ロッテマリーンズの二軍投手コーチ補佐として再び野球界に携わりましたが、同年オフに退団しています。

野球界を離れた後、山﨑氏は全く異なる分野に挑戦。2016年1月からは千葉県千葉市花見川区にて、自身が経営するリラクゼーション整体院『健's Treatment』を開業し、現在に至ります。

記録と背番号

プロ野球でのキャリアにおいては、初登板（1993年7月29日）、初先発・初奪三振（1993年8月5日）、初勝利・初完投・初完封（1995年10月13日）、初セーブ（2000年8月8日）、初ホールド（2005年4月30日）、そして特筆すべき1球勝利（2005年6月11日）など、様々な記録を残しています。

現役時代に背負った背番号は以下の通りです。

広島：68（1991年 - 1996年）、17（1997年 - 1999年）、46（2000年 - 2001年）
ロッテ：46（2002年 - 2006年）、47（2007年）
* ロッテ（コーチ）：84（2009年）

登録名は、1991年から1994年までは「山崎 健」（崎は大）、1995年以降は「山﨑 健」（﨑は山＋奇）を使用しています。

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