岡古墳

岡古墳の概要

岡古墳（おかこふん）は、大阪府藤井寺市にあった方墳の一つで、古市古墳群を構成しています。かつてはその墳丘が存在していましたが、現在では消失してしまいました。1980年には発掘調査が行われ、その結果出土した銅鏡や船形埴輪が評価され、2024年には藤井寺市の有形文化財に指定されました。

位置と形状

この古墳は、大阪府の東部にあたる岡ミサンザイ古墳（仲哀天皇陵）の東側の段丘に築かれました。特に、岡古墳は南西の割塚古墳と並んで「割塚」と総称され、岡古墳が北側に位置することから「北の割塚」と呼ばれることもありました。

この古墳の形状は方形で、一辺は約33メートル、高さは推定で5メートルとされています。墳丘は2段で構築され、下段は地山の削り出し、上段は盛土によって成形されています。また、墳丘の外側には斜面に葺石が施されており、円筒埴輪や形象埴輪も組み合わされて、墳丘全体に装飾が施されています。

埋葬施設と出土品

墳頂の中央部にあたる場所に埋葬施設があり、ここには粘土槨が設けられています。調査の段階では、北側と上部が損傷していたため全貌は不明な部分が多いものの、粘土槨内には割竹形の木棺が据えられていたと考えられています。出土品としては、3面の銅鏡が確認されており、その一部は古墳時代に関連する装飾を持ったものです。

出土した銅鏡は、変形獣形鏡として知られ、直径はそれぞれ異なりますが、約11.5センチメートルから12.6センチメートルです。これらの銅鏡は、古墳時代の重要な遺物として、文化財としての価値が高いとされています。

文化財の指定と関連施設

岡古墳やその出土品は、地域の歴史的価値を持つ重要な文化財としてみなされ、具体的には2024年に指定された藤井寺市の有形文化財として、多くの人々に親しまれています。

また、藤井寺市立にぎわい・まなび交流館（アイセルシュラホール）では、岡古墳から出土した品々の展示が行われており、古墳の存在を広く伝える役割を担っています。

歴史的背景

岡古墳の築造時期は、古墳時代中期の4世紀末から5世紀初頭にかけてとされています。南西に位置する割塚古墳との関連性も指摘され、両古墳は岡ミサンザイ古墳の先行古墳として寄与しています。この発見は、古墳周辺における小古墳の扱いに新しい視点を提供し、考古学的にも重要な意味を持っているとされています。

また、古墳の発見当初、1877年にはウィリアム・ゴーランドが岡ミサンザイ古墳を訪れ、周辺に小型の古墳群が存在していることが記録されています。その後も、藤井寺市内における発掘調査が続き、古墳やその周辺地域の研究が進められてきました。

岡古墳は、その歴史的価値に加えて、出土品や築造技術、さらには古墳時代の文化を知る上での重要な手がかりとなるでしょう。

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