岡城 (豊後国)

岡城の概要

岡城（おかじょう）は大分県竹田市の天神山に築かれた、日本の伝統的な山城です。別名を臥牛城や豊後竹田城とも呼ばれ、城域の広さは約23万4千平方メートル、標高325メートルの山の上に位置しています。岡城は、その美しい風景や歴史的な背景から、多くの観光客を魅了するスポットとなっています。

歴史的背景

岡城の歴史は1185年、文治元年から始まると言われています。この年、緒方惟義が源義経を支援するために城を築いたのがきっかけとされています。後に南北朝時代の1334年、後醍醐天皇の命令を受けた大友氏の一族により、城は大規模に拡張され、岡城と名付けられました。

近年の研究によると、志賀氏が直入郡に入城したのは1369年以降であり、それ以前は木牟礼城が彼らの本拠地であったとされています。1586年には、薩摩の島津氏に対抗するため、志賀親次が岡城を守り続け、戦いを繰り返しました。この戦いの中での功績により、親次は豊臣秀吉から褒賞を受けることとなります。

城の変遷と修築

文禄2年（1593年）には、豊臣秀吉の命令により大友氏が領土を失い、親次も岡城を去りました。しかし、1594年には中川秀成が新たに城を譲り受け、3年をかけて大規模な修築を実施しました。この修築では、御三階櫓などの新たな建物が追加され、城の西側も拡張されました。

豊後竹田の中川氏は関ケ原の戦いに参戦し、戦後も所領を安定的に保持しました。しかし、火災や地震などの災害が多く、特に1771年の大火では本丸や西ノ丸などの大部分が焼失しました。

明治維新後、岡城は廃城となり、多くの建物が解体されました。現在残っているのは石垣のみですが、1987年には築城800年を記念して模擬天守が復元されました。

観光と文化

岡城はその美しい桜で知られ、毎年4月に開催される「岡城桜まつり」では大名行列が再現され多くの人々が訪れます。また、周辺の景観は素晴らしく、晴れた日は祖母山や阿蘇山などの名山を望むことができます。

岡城跡は1986年に国の史跡に指定され、2006年には日本100名城にも選ばれました。また、作曲家の瀧廉太郎が幼少期に岡城にインスパイアを受けたとされ、その影響を受けた名曲『荒城の月』の銅像も城址に建てられています。

アクセス

岡城へのアクセスは良好で、JR豊肥本線の豊後竹田駅からバスで約5分、そこから徒歩15分ほどで到着します。また、中九州横断道路の竹田ICからも車で約7分の位置にあります。無料の駐車場も完備されており、多くの訪問者が訪れやすい環境が整えられています。観光名所としての岡城は、自然と歴史が融合する特別な場所だと言えるでしょう。

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