中川氏

中川氏

中川氏は、清和源氏の末裔と称する日本の氏族で、武家であり、華族でもありました。その歴史は戦国時代に遡り、織田信長に仕えた中川清秀がその名を歴史に刻みました。清秀は12万石（または4万400石）を知行する大名として活躍しましたが、賤ヶ岳の戦いで戦死しました。その後、清秀の子である秀政が豊臣秀吉に仕え、播磨国三木を与えられました。秀政が朝鮮で客死した後、その子である秀成が1594年に豊後国岡へ移封され、7万400石を領有しました。

関ヶ原の戦いでは、中川氏は東軍に味方し、その結果、所領を安堵され、江戸時代を通じて岡藩主として存続しました。江戸時代の中川氏は、外様大名として、この地を治めました。

明治維新後、最後の藩主であった中川久成は、版籍奉還により岡藩知事となり、その後、廃藩置県までその役目を務めました。廃藩置県時に中川家に与えられた家禄は5240石でした。その後、家禄の代わりに金禄公債が支給され、その額は14万3670円65銭で、華族受給者の中で46位という高額でした。

1884年の華族令の施行に伴い、中川氏は旧藩知事として伯爵に列せられました。浅野氏からの養子である中川久任伯爵は、国光生命保険相互会社の社長や貴族院議員を務めました。中川伯爵家の邸宅は京都市右京区にあり、また神戸市須磨区には別邸も構えていました。

このように、中川氏は戦国時代から明治時代にかけて、武家、大名、華族として、日本の歴史に深く関わってきました。その足跡は、現代にも様々な形で残されています。

参考文献

浅見雅男『華族誕生 名誉と体面の明治』リブロポート、1994年
石川健次郎「明治前期における華族の銀行投資―第15国立銀行の場合―」『大阪大学経済学』第22号、大阪大学経済学部研究科、1972年
刑部芳則『京都に残った公家たち: 華族の近代』吉川弘文館〈歴史文化ライブラリー385〉、2014年
小田部雄次『華族 近代日本貴族の虚像と実像』中央公論新社〈中公新書1836〉、2006年
霞会館華族家系大成編輯委員会『昭和新修華族家系大成 別巻 華族制度資料集』霞会館、1985年
霞会館華族家系大成編輯委員会『平成新修旧華族家系大成 下巻』霞会館、1996年
華族大鑑刊行会『華族大鑑』日本図書センター〈日本人物誌叢書7〉、1990年
新田完三『内閣文庫蔵諸侯年表』東京堂出版、1984年

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