岡山県を舞台とした作品一覧

岡山県は、その豊かな歴史、変化に富んだ自然景観、そして独特の文化を背景に、古くから様々な物語の舞台となってきました。ここでは、小説や映画、テレビドラマ、アニメーション、漫画、ゲーム、楽曲、ラジオといった幅広いジャンルの中から、岡山県内がモチーフやロケーションとして描かれた作品群を紹介します。

古典文学の世界では、『道ゆきぶり』や軍記物語である『陰徳太平記』、『備中兵乱記』などに岡山ゆかりの記述が見られます。また、江戸時代の代表的な作品である井原西鶴の『日本永代蔵』や、上田秋成の怪異談集『雨月物語』に収められた「吉備津の釜」は、岡山県内の伝承や出来事を基にした物語としてよく知られています。太閤記に描かれる備中高松城の水攻めなども、この地の歴史的な出来事です。さらに、日本を代表する昔話の一つである「桃太郎」も、岡山を舞台とする伝承として語り継がれています。

近現代の文芸作品や大衆小説、映像作品の原作においても、岡山県はしばしば重要な舞台となります。特に、横溝正史が生み出した名探偵・金田一耕助シリーズでは、『本陣殺人事件』、『獄門島』、『悪魔の手毬唄』、『悪霊島』、『八つ墓村』といった代表作の多くが岡山県内の架空あるいは実在の地域を舞台としており、その後の数多くの映画やテレビドラマ化作品でも、実際の岡山各地がロケ地として使用されてきました。映画『八つ墓村』（1977年版）のロケ地となった高梁市の広兼邸は、『Angel Beats!』など他の作品にも登場しています。

テレビドラマでは、国民的時代劇『水戸黄門』で倉敷の藤戸寺などがしばしば登場したほか、『ウルトラマンA』の一部エピソードや、『西部警察 PART-III』の瀬戸内海を舞台にした回でも岡山県が描かれました。実在の人物を描いた作品では、岡山出身のプロ野球監督・星野仙一の物語である『泣くなセン!燃える男』、画家・山下清の生涯を描いた『裸の大将放浪記』の一部エピソード（津山市や下津井が舞台）があります。NHKの連続テレビ小説では、津山を舞台にした『あぐり』、倉敷美観地区などがロケ地となった『カーネーション』、そして主人公の一人の故郷として岡山市が描かれた『カムカムエヴリバディ』が挙げられます。大河ドラマ『武蔵 MUSASHI』や、近年では瀬戸内市牛窓町を舞台にした『蜜の味〜A Taste Of Honey〜』、倉敷市を舞台にしたBSプレミアムの『インディゴの恋人』なども制作されています。

漫画やアニメーションの世界でも、岡山県を舞台あるいはモデルとした作品が多く見られます。漫画では、著者の郷里である津山市がモデルの『アキナイ☆ダマシイ』、岡山市南区灘崎地区がモデルの『雨無村役場産業課兼観光係』や『町でうわさの天狗の子』、玉野市がモデルの『ののちゃん』、岡山市東区西大寺地区が舞台の『西大寺ぶるうす』や主人公の実家が同地区の『独身アパートどくだみ荘』など、作者の出身地やゆかりの地を舞台にした作品が特徴的です。倉敷市を主な舞台とする『めくりめくる』や『RE-MAIN』（テレビアニメ）もあります。人気の漫画・アニメ作品としては、岡山市を含む岡山県全域が舞台の『推しが武道館いってくれたら死ぬ』、倉敷市や総社市など岡山県西部がモチーフの『天地無用!』シリーズ、津山市周辺が舞台の『バッテリー』などが挙げられます。

その他、『おそ松さん』の一部エピソード（日本原が登場）、『Angel Beats!』（広兼邸）、『おちこぼれフルーツタルト』（主人公出身地、岡山駅が登場）、『ガールズアンドパンツァー』（BC自由学園本拠地が津山市、拠点港が岡山港という設定）など、様々なアニメ作品に岡山県が登場します。

楽曲では、STU48の「岡山ver.」や、小柳ルミ子のヒット曲「瀬戸の花嫁」（岡山と香川を結ぶ瀬戸大橋開通以前の時代背景）、森高千里の「鬼たいじ」といった岡山にちなんだ歌があります。ゲームやラジオドラマにも、岡山県を舞台や要素として取り入れた作品が存在し、例えばゲーム『レーシングバトル -C1 GRAND PRIX-』には岡山国際サーキットが、『天地無用!』はゲーム化もされており、ラジオドラマ『バッテリー』や『風になった男』、『桜、降るとき』といったNHK-FMの作品も岡山県を舞台としています。

このように、岡山県は古代から現代に至るまで、様々なジャンルのクリエイターたちの想像力を刺激し、数多くの魅力的な作品の舞台となってきました。これらの作品を通して、多様な顔を持つ岡山県の魅力を再発見することができるでしょう。

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