広兼邸

広兼邸

広兼邸（ひろかねてい）は、岡山県高梁市にある歴史的な建物で、吹屋ふるさと村の保存建造物の一部として重要な役割を果たしています。この邸宅は、吹屋の中心から約3キロメートル南に位置し、訪れる人々に悠久の時を感じさせる魅力を持っています。

歴史的背景

この邸宅は、江戸時代後期に小泉銅山とローハ（緑礬・硫酸鉄＝ベンガラの原料）製造を行い、大きな富を築いた大野呂の庄屋、広兼家の2代目である元治によって建てられました。彼の手によって造られた壮大な邸宅は、1977年に公開された松竹映画『八つ墓村』のロケ地としても知られ、その後も多くの映画に登場しています。

建築と特徴

広兼邸は、城郭のような雄大な石垣で囲まれた構造を持ち、その内部には母屋、土蔵3棟、桜門、長屋といった建物が江戸時代の文化10年（1810年）に建設されました。さらに、離れは大正時代に追加されたもので、全体として781坪（約2,581平方メートル）の広大な敷地を誇ります。また、母屋の面積は98坪（約323平方メートル）に及び、贅を尽くした造りとなっています。

敷地内には美しい庭園もあり、水琴窟が設置されています。この水琴窟は、和の風情を感じさせると共に、静かな環境の中での癒しの空間を提供しています。

周囲には、代官御用所として惣代庄屋を務めていた人々が住んでいた活きた文化財、西江邸も存在し、同じく松竹映画『釣りバカ日誌18』のロケ地としても知られています。

訪問情報

広兼邸の開館時間は通常午前9時から午後5時までですが、12月から3月の間は午後4時までとなります。また、12月29日から31日までの間は休館です。訪れる際の所在地は、岡山県高梁市成羽町中野2710です。入館料は大人400円、小人200円であり、団体割引も用意されています。

アクセス情報

公共交通機関を利用する場合、JR伯備線の備中高梁駅から備北バスに乗り、「吹屋行」で約60分、終点で下車後、さらに徒歩30分ほどかかります。また、車でのアクセスも可能で、岡山自動車道の賀陽ICまたは中国自動車道の新見ICからそれぞれ約60分です。

関連項目

広兼邸は地域の文化や歴史を知る上で重要な存在であり、関連する施設として吹屋、ベンガラ館、笹畝坑道、旧片山邸、吹屋ふるさと村郷土館、西江邸などがあります。これらを訪れることで、より深くこの地域の背景を理解することができるでしょう。さらに、高梁市の公式ホームページでは、広兼邸に関する詳細情報が提供されています。

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