岡本良雄

岡本良雄（おかもと よしお）

岡本良雄（1913年6月10日 - 1963年2月6日）は、日本の児童文学作家として知られています。

生涯

大阪府大阪市北区（現在の此花区）で生まれた岡本良雄は、1931年に上京し、第一早稲田高等学院を経て早稲田大学文学部国文学科を卒業しました。大学在学中から早大童話会に所属し、口演童話や創作活動に熱心に取り組みました。卒業論文では「童話作家小川未明論」を執筆しています。

1938年に大阪に戻り、下畑卓や花岡大学らと共に「新児童文学集団」を結成し、機関紙『新児童文学』に童話などを発表しました。この時期に発表した「八号館」が第1回日本新人童話賞を受賞し、授賞式後すぐに上京して豊島区に居を構えました。

1943年には鎌倉へ転居し、滝田直子と結婚。同年、海軍に徴兵され、上海での訓練を経て鹿児島海軍航空隊に入隊。その後、青島海軍航空隊、滋賀航空隊と勤務地を移りました。終戦後は大津市に留まり、1946年に長男が誕生しています。

1947年に再び上京し、『子どもの村』や『こどもペン』などの雑誌に精力的に作品を発表しました。1951年には次男が生まれています。

1951年、「ラクダイ横丁」などの作品で、児童文学者協会が設立した児童文学者協会児童文学賞の第1回を受賞しました。

1961年からは学校法人森村学園で児童文学近代文学史の講師を担当しました。同年、胃の手術のため豊島病院に入院しましたが、年内に退院。しかし、2年後の1963年に胃がんが再発し、同年2月6日に49歳で死去しました。葬儀委員長は坪田譲治が務めました。

死後、主な作品をまとめた『岡本良雄童話文学全集』（全3巻）が講談社から出版されました。

主な著作

『朝顔作りの英作』（翼賛出版協会）1942年
『八号館』（翼賛出版協会）1943年
『太陽とホームラン』（愛育社）1950年
『童話 四年生』（泰光堂）1950年
『うさぎのおみまい』（泰光堂）1952年
『のりものづくし』（実業之日本社）1954年
『よいこの童話 二年生』（鶴書房）1956年
『いそっぷものがたり』（実業之日本社）1957年
『つるの恩がえし』（偕成社、なかよし絵文庫）1957年
『クオレ絵物語』（偕成社）1959年
『三人の0〈れい〉点くん』（偕成社、偕成社文庫） 1977年、のち再刊（新学生全家研） 1989年
『空中ぶらんこ』（岩崎書店、日本の幼年童話） 1982年
『どうぶつの国のどうぶつえん』（岩崎書店、幼年文学名作選） 1989年

作品集

『岡本良雄集』（河出書房、日本児童文学全集・童話編8） 1953年
* 『岡本良雄童話文学全集』全3巻（講談社） 1964年

岡本良雄は、ユーモラスで温かい作風で、子供たちの日常や心情を描き出し、多くの読者に愛されました。彼の作品は、今もなお読み継がれています。

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