岡村二一

岡村二一の生涯

岡村二一（おかむら にいち、1901年7月4日 - 1978年7月9日）は、長野県下伊那郡竜丘村（現在の飯田市）で生まれた日本のジャーナリストおよび実業家です。彼は東京タイムズ社の初代社長として知られ、また財団法人新聞通信調査会の理事長を務めました。

教育と初期の経歴

岡村は下伊那教員養成所を卒業後、飯田小学校で教師として働き始めました。1923年に上京し、東洋大学専門部文科を修了。その後、萬朝報と新聞連合社での勤務を経て、1935年には同盟通信社に入社しました。そこで社会部長や編集局次長を歴任し、特に1941年には松岡洋右外務大臣に同行し、ドイツやイタリア、ソビエト連邦を訪問しました。

戦後の活動

1942年、特殊法人「日本新聞會」が設立されると、岡村は専務理事に就任します。1945年には持分合同の形式を取った日本新聞公社の専任理事に任命され、古野伊之助の側近として知られるようになりました。戦後の1946年には東京タイムズ社を創立し、初代社長に就任。2年後にはGHQから公職追放の処分を受けましたが、1948年に復帰し、会長や顧問として再び活躍しました。

また、日本新聞協会の理事会副会長や日本教育テレビの副社長など、多くの要職を歴任しました。さらに郵政、国語、公安の各審議会委員としても貢献し、メディア業界で多岐にわたって活躍しました。

文芸活動

岡村二一は青年時代から文芸にも情熱を注ぎ、詩集をいくつか出版しました。彼の代表的な作品には『幻想君臨』、『人間経』、『告別』、および『戦ひの手帖』があり、文学作品としても評価されています。彼の文才は、ジャーナリストとしての文章力にも表れています。

晩年と死去

1978年7月9日、岡村は肺がんにより77歳で世を去りました。彼の生涯は、日本の新聞業界やジャーナリズムに大きな影響を与え、日本のメディア文化の発展に寄与したと言えるでしょう。彼の業績は今なお多くの人々の記憶に留まり続けています。

参考文献

• - 村沢武夫『岡村二一資料』
• - 塩沢実信『飯田の昭和を彩った人びと』一草舎出版、2008年5月。
• - 鳥居英晴『国策通信社「同盟」の興亡ー通信記者と戦争』花伝社、2014年7月。

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