岡田守弘

岡田守弘について

岡田守弘（おかだ もりひろ）は、1894年11月に新潟県で生まれ、1984年4月22日に逝去した日本の剣道家です。彼は剣道範士八段、居合道範士八段という高い段位を持ち、鞍馬流剣術と警視流剣術を修めたことで知られています。

生い立ちと経歴

岡田は1923年に上京し、警視庁に奉職しながら剣道の道を歩み始めます。彼は柴田衛守の道場、習成館に入門し、鞍馬流剣術を学ぶこととなります。1928年には中山博道の高弟である橋本統陽から居合を学び、更に技術を磨いていきます。

1935年には杉並区に尚道館道場を創設し、初代館長に就任。岡田はその後も様々な役職を歴任し、警視庁剣道師範や東京大学教養学部剣道師範としても指導にあたりました。また、杉並区剣道連盟副会長や東京都剣道連盟居合道部会副会長としても活動し、多くの弟子を持つ剣道家としての地位を確立しました。弟子の中には佐川博男もいます。

技術とエピソード

岡田は竹刀の技術「巻き落とし」を得意とし、彼のスタイルには独自の工夫が見られます。この技術は、対峙する相手の正眼の構えや太刀の斬り付けに対して瞬時に反応し、竹刀を巻き落とすか巻き上げるというものです。この技は鞍馬流剣術の「変化」と神道夢想流杖術の基本技「巻き落とし」を応用したもので、瞬時の判断力と技巧を必要とします。

この技を駆使し、岡田は富山県警察部の師範・松本重平と対戦した際には9回、武道専門学校教授の佐藤忠三には6回も竹刀を飛ばしました。しかし、この技は師匠たちから「大成しない」との批判を受け、岡田はその後、巻き落としを使用しなくなることとなります。

岡田の称号と受賞歴

岡田は剣道の道において多くの称号を授与されています。1923年には警視庁巡査として活動を始め、1926年には警視庁剣道助教、1928年には大日本武徳会剣道精錬証を取得しました。1931年には警視庁剣道教師となり、1953年には警視庁剣道師範に任命されます。1958年には警視庁を退職しましたが、1960年には全日本剣道連盟から剣道八段、1962年には剣道範士の称号が与えられました。また、居合道でも1964年に八段の称号を得ています。

岡田は更に1970年に勲六等瑞宝章を受賞し、1975年には全日本剣道連盟居合道範士として認められています。彼の生涯にわたる多大な貢献は、多くの剣道家たちに影響を与えています。

参考文献と外部リンク

岡田の功績や剣道の秘訣については、『剣道時代』の連載として掲載された「尚道館岡田守弘の剣道秘訣」に詳しく書かれています。更に詳細を知りたい方は、尚道館の公式サイトを訪れることをお勧めします。

彼の剣道に対する真摯な姿勢と技術の探求は、今後も多くの剣道家に受け継がれていくことでしょう。

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