岡留安則

岡留安則の生涯：ジャーナリズムと反骨精神

岡留安則（おかどめ やすのり）は、1947年11月23日に鹿児島県で生まれ、2019年1月31日に71歳でその生涯を閉じました。彼はジャーナリストとして、また、月刊誌『噂の眞相』の編集長兼発行人として、その名を轟かせました。

学生運動からジャーナリズムへ

高校時代は野球部に所属していましたが、法政大学社会学部に入学後、学生運動に身を投じます。構造改革左派のプロレタリア学生同盟に参加するなど、学生運動の闘士として活動しました。しかし、1970年の安保闘争を境に学生運動から距離を置き、法学部に学士入学。その傍ら、高田馬場で土方のアルバイトを経験するなど、多様な社会経験を積みました。

『噂の眞相』創刊とスキャンダリズム

大学卒業後、業界紙の編集を経て、1975年に『マスコミ評論』を創刊しますが、編集方針の対立から追放されます。その後、周囲からの資金援助を得て、1979年に『噂の眞相』を創刊。反権力・反権威のスキャンダリズムを標榜し、タブーなき報道で注目を集めました。皇室ポルノ事件で広告収入が激減する危機に直面しましたが、広告に頼らない方針に転換し、休刊まで黒字を維持しました。時に、自身の知人や友人でさえも容赦なく批判する姿勢は、物議を醸すこともありました。

『噂の眞相』休刊と晩年

2004年に『噂の眞相』を休刊した後、沖縄県へ移住。雑誌の歴史をまとめた『「噂の眞相」25年戦記』を出版しました。また、保守系雑誌『WiLL』にウェブブログの内容を連載しましたが、読者からの反発により連載は終了しました。また、雑誌のテイストを残したテレビ番組「TVウワサの眞相」では、メインキャスターを務めました。晩年は、東京スポーツでコラムを執筆したり、那覇市でスナックを経営するなど、多岐にわたる活動を続けていました。

2016年に脳梗塞を発症。その後、がんが見つかり治療を続けていましたが、2019年1月31日に右上葉肺がんのため、那覇市内の病院で死去しました。

著書と影響

岡留安則は、数多くの著書を執筆しました。代表的なものとして、『武器としてのスキャンダル』、『「噂の眞相」編集長日誌』シリーズなどがあります。これらの著作は、彼のジャーナリズムに対する信念と、社会に対する独自の視点を深く理解する上で重要な資料となっています。

ジャーナリズムへの貢献

岡留安則のジャーナリズムは、既存の権力や権威に挑戦するものでした。彼の創刊した『噂の眞相』は、タブーとされていた社会問題を掘り下げ、多くの人々に衝撃を与えました。そのジャーナリズム精神は、後世のメディアにも影響を与え続けています。

関連人物

岡留安則と関わりのあった人物としては、佐高信、竹中労、松浦総三、宅八郎などが挙げられます。また、彼が編集長を務めた『噂の眞相』は、ジャーナリズムの歴史において重要な位置を占めています。学生運動からジャーナリズムの世界へ、そして沖縄での晩年まで、波乱に満ちた岡留安則の生涯は、多くの人々に語り継がれるでしょう。

もう一度検索