岡豊城

岡豊城：四国統一を夢見た長宗我部氏の居城

岡豊城は、高知県南国市岡豊町に位置する標高97mの岡豊山に築かれた山城です。戦国時代には長宗我部氏の居城として、四国統一の拠点となりました。現在は国の史跡として整備され、往時の面影を偲ぶことができます。

城郭の構造

岡豊城は、山頂の本丸を中心に、詰下段、二の段、三の段、四の段と続く連郭式の構造を持っています。本丸には詰と呼ばれる中心的な郭があり、周囲を石垣や土塁で固められています。また、城の北東部には岡豊八幡が鎮座しており、城の守護神として崇められていました。

歴史

岡豊城の歴史は、鎌倉時代初期に信濃から土佐に移住した長宗我部能俊に始まります。能俊は長岡郡宗部郷（現在の南国市岡豊町）に定住し、岡豊城を築いたとされています。当初は宗我部氏を名乗っていましたが、香美郡にも同名の宗我部氏がいたため、区別するために長宗我部氏と名乗るようになりました。

室町時代に入ると、応仁の乱後の混乱に乗じて、土佐では長宗我部氏、本山氏、山田氏、吉良氏、安芸氏、大平氏、津野氏の「土佐七雄」と呼ばれる有力国人が台頭し、互いに勢力を争うようになりました。永正5年（1508年）には、本山氏らの連合軍によって岡豊城が落城し、長宗我部氏は一時衰退します。

しかし、国親の時代になると、長宗我部氏は再び勢力を盛り返し、岡豊城を拠点に土佐を統一。さらに、元親の時代には四国統一を成し遂げました。しかし、天正13年（1585年）に羽柴秀吉の侵攻を受け降伏。土佐一国に押し込められることとなりました。

その後、元親は本拠地を大高坂山城（高知城）に移しましたが、治水の悪さから再び岡豊城に戻ります。しかし、天正19年（1591年）に浦戸城を改築して移ったため、岡豊城は廃城となりました。

現在の岡豊城跡

現在の岡豊城跡には、石垣、曲輪、土塁、空堀、井戸などが残り、往時の姿を偲ぶことができます。また、城址の一角には高知県立歴史民俗資料館があり、土佐の歴史や文化に触れることができます。平成29年には、続日本100名城にも選定され、多くの観光客が訪れる人気のスポットとなっています。

岡豊城は、長宗我部氏の興亡の歴史を物語る貴重な史跡です。四国統一を夢見た武将たちの足跡をたどりに、ぜひ一度訪れてみてください。

もう一度検索