岩井堂洞窟

岩井堂洞窟（いわいどうどうくつ）

岩井堂洞窟、または岩井堂岩陰[[遺跡]]は、秋田県湯沢市上院内にあり、縄文時代に利用されていた重要な考古学的な遺跡です。この遺跡は国の史跡に認定されており、その歴史的価値が認められています。

立地

岩井堂洞窟は、秋田県と山形県の境界に位置し、雄勝峠に通じる山深い場所にあります。雄物川の上流部に合流する雄勝川の右岸にあり、標高約190メートルの地点に建っています。この遺跡は、約80メートルにわたる凝灰岩の露頭に形成された4つの洞窟（第1洞窟から第4洞窟）から構成されています。洞窟の高さは2メートルから8メートルで、並び順は左から第1洞窟、第2洞窟、第4洞窟、第3洞窟となっています。これらの洞窟は縄文時代の居住地として利用されており、各洞窟内やその前庭には遺物が多く存在しています。

調査の概要

1900年頃には第2洞窟から土器や石器の出土が確認されていましたが、注目を集めたのは1962年に地元の考古学者による調査が始まってからです。その後、1963年から1970年までの間に、雄勝町教育委員会による8回にわたる発掘調査が行われました。1976年には秋田県教育委員会もこの地域を調査しました。

洞窟の調査状況

• - 第1洞窟は、稲荷社を祀るために削平されており、遺物は少量の土師器や縄文時代後期のものが確認されています。規模が小さいため、利用頻度は低かった可能性があります。
• - 第2洞窟は、深さ約1.2メートルの中に7層の遺物堆積層があり、様々な縄文土器が出土しています。最下層からは尖底土器の群が見つかり、年代層によって異なる遺物が確認されるなど、貴重な研究資料になっています。
• - 第3洞窟は内部が浅いものの、前庭部には深さ約3メートルの遺物層が存在しており、初期の文化層が下層に埋蔵されていると推測されています。
• - 第4洞窟では、保存状態が良く、多くの遺物が出土しています。層位的に遺物が存在し、特に縄文時代早期の土器の集まりは、新たな考古学的知見を提供しています。

これらの洞窟から出土した遺物は、住居として使われたことを示しており、長期間に渡る文化的な利用が推測されます。これらの成果は院内銀山異人館でジオラマとして復元され、展示されています。

文化財指定

1967年には国の史跡として指定され、指定面積は4,342.96平方メートルに達します。この遺跡は秋田県の文化財として重要な位置を占めており、縄文時代の人々の生活の一端を知る上で欠かせない場所です。

アクセス

岩井堂洞窟へは、東日本旅客鉄道の奥羽本線・院内駅から徒歩25分でアクセスできる他、国道13号及び国道108号の交点からも近く、秋田県道278号雄勝湯沢線を利用して簡単に訪れることができます。

このように、岩井堂洞窟は、縄文時代の価値を現代に伝える重要な遺跡であり、考古学的な研究と歴史的な理解のために、今後も研究が続けられることでしょう。

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