岩城親隆

岩城親隆（いわき ちかたか）

岩城親隆は、戦国時代から安土桃山時代にかけての武将であり、戦国大名です。岩城氏の16代当主であり、伊達政宗の伯父にあたります。

生涯

親隆は、陸奥国の戦国大名である伊達晴宗の長男として生まれました。しかし、天文3年（1534年）の合戦の際、父・晴宗と外祖父である岩城重隆との間で取り決めがなされ、重隆の養嗣子として岩城氏の家督を継承することになりました。永禄12年（1569年）に養父・重隆が亡くなると、正式に家督を継ぎました。

岩城親隆は、近隣の田村氏や石川氏の領土を侵略したり、二階堂盛義の支援のために出兵するなど、小規模な軍事活動を行った記録が残っています。しかし、基本的には養父・重隆以来の外交重視の路線を踏襲していました。実家の伊達氏においては、実父・晴宗と実弟・輝宗が対立した際には仲裁に入り、二階堂氏の去就を巡って対立していた伊達氏と蘆名氏との和睦を斡旋するなど、外交手腕を発揮しました。また、叔父である伊達実元に対し、実父と実弟の関係を憂慮する手紙を送るなど、実家である伊達氏との関係を重視していたことが伺えます。

一方で、常陸国の佐竹氏は、佐竹義昭の代から石川氏や白河結城氏を従属させ、陸奥への進出を企図するようになります。かつては友好的な関係にあった岩城氏との関係も、先代の重隆の時代から徐々に悪化していきました。親隆は、佐竹義昭の娘を妻に迎えましたが、両家の関係は改善されませんでした。永禄11年（1568年）から元亀2年（1571年）にかけて、佐竹氏との間で度重なる軍事衝突が発生。その最中に養父・重隆が病死し、親隆もまもなく動静が不明となります。その後、佐竹氏出身の親隆夫人が当主代行として振る舞うようになり、佐竹義昭の子・義重が岩城氏の家政に介入するようになったことから、この前後に岩城家中に何らかの異変があったと考えられています。（親隆が病によって狂乱し、当主としての活動が不可能になったという説もあります。）

天正6年（1578年）頃には、親隆の子である常隆が当主に就任し、親隆夫人がその後見役を務めました。親隆自身は、記録上は文禄3年（1594年）まで存命していたとされています。

親隆の人物像

岩城親隆は、外交手腕に長けた人物であり、実家である伊達氏との関係を重視したことが伺えます。しかし、佐竹氏との関係が悪化したことで、晩年は不遇をかこったと考えられています。

脚注

『班寅集』（三）
『系図纂要』（五十）
『岩城系譜』
『常陸三家譜』
『伊達族譜』（内族譜 岩城）
『寛政重修諸家譜』
* 『永禄伊達系図写』

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