岩手軽便鉄道7号形蒸気機関車

7号形タンク式蒸気機関車の歴史と特徴

岩手軽便鉄道にかつて在籍していた7号形タンク式蒸気機関車について、その歴史や特徴を詳しく見ていきます。7号形は、鉄道の流れの中で一般的に命名された呼称であり、正式な形式は与えられていなかったため、便宜上の名称となっています。

概要と製造経緯

1916年、大正5年に岩手軽便鉄道にて、新たに機関車の増備が計画されました。これは、全通後に輸送量が増加したためであり、車軸配置が0-6-0（C）の公称12トン級のタンク機関車が必要とされました。同年10月に、大日本軌道鉄工部（後の雨宮製作所）で2両が製造され、番号は7と8が付番されました。製造番号は、7号が111、8号が142であり、この情報は実際に確認されています。

この時期は第一次世界大戦の真っ只中であり、ドイツ等の戦争国製品の輸入が途絶えていたため、国産の技術に頼る必要がありました。その中で生まれた7号形は、運転整備重量が12トンとされていましたが、実際には最近のモデルに比べて寸法が若干大きく、14～15トン級の特徴を持っていました。これは、当時の申請が円滑に進むようにするため、先に導入されていたボールドウィン製の12トン級の数値に合わせて報告されたためとされています。

9号形の登場

1919年、大正8年には同形式である9号が新たに増備されました。9号は、ボイラー容量が少し小さく、中心が51mm高いという違いがあったものの、7号および8号とほぼ同じ形状でした。蒸気ドームの形に関しても、7号と8号は丸みを帯びていたのに対し、9号は平らでした。

国有化とその後

1936年には岩手軽便鉄道が国有化され、鉄道省の釜石線として運行されるようになりました。この際、7号と8号はケ237形へ、9号はケ239形へと改番され、正式な形式が与えられました。その後、これらの機関車は、改軌工事の進捗もあって釜石線の東部へ移設されました。最終的には1950年の工事終了までに、遠野－仙人峠間で使用され、その後の廃車は同年12月に行われました。

主要諸元

7号形の基本的な規格についても触れておきます。以下はその主要諸元です：

• - 全長: 6,223mm
• - 全高: 3,200mm
• - 軌間: 762mm
• - 車軸配置: 0-6-0(C)
• - 動輪直径: 762mm
• - 弁装置: ワルシャート式
• - シリンダー: 231mm x 356mm
• - ボイラー圧力: 11.2kg/cm²
• - 火格子面積: 0.53m²
• - 全伝熱面積: 23.04m²
• - 運転整備重量: 12.19t
• - 動輪上重量: 12.19t
• - ブレーキ方式: 手ブレーキ

参考文献

この情報は、臼井茂信氏の著書『国鉄狭軌軽便線 19』やその他の資料から得られています。また、関連する情報源として国鉄の特殊狭軌線に関する項目もあります。

岩手軽便鉄道の7号形タンク式蒸気機関車は、その歴史とともに日本の鉄道発展の一端を担っていました。

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