岩手開発鉄道日頃市線

日頃市線と赤崎線について

日頃市線（ひころいちせん）は、岩手県大船渡市に位置する盛駅から岩手石橋駅に至る鉄道路線で、岩手開発鉄道が運営しています。また、盛駅から赤崎駅に至る赤崎線（あかさきせん）も同じく岩手開発鉄道による路線となっています。この二つの路線はともに貨物輸送を主な目的としており、実質的には一つの路線として機能しています。

輸送内容と運行形態

日頃市線と赤崎線では、主に大船渡市内陸部にある大船渡鉱山で採掘された石灰石を運ぶための輸送が行われており、岩手石橋駅で石灰石を積み込み、盛駅を経由して赤崎駅まで運ばれます。目的地である赤崎町にある赤崎駅からは、石灰石が太平洋セメントの大船渡工場へと搬送されています。

かつて日頃市線では旅客営業も行われていましたが、1992年には廃止され、現在は専ら貨物列車が運行されています。以前は深夜まで運行されていましたが、産出量の減少に伴い2003年頃からは平日の日中だけの運行となり、週末は全便運休となっています。

路線データ

両路線の主なデータは以下の通りです。

• - 路線距離：日頃市線は盛駅から岩手石橋駅までの9.5km、赤崎線は盛駅から赤崎駅までの2.0kmです。
• - 駅数：日頃市線には4駅（盛駅、岩手石橋駅など）、赤崎線には2駅（盛駅を含む）があります。
• - 複線区間：全線が単線で構成されています。
• - 電化区間：電化されておらず、全線非電化です。
• - 運行最高速度：最高速度は50 km/hです。

歴史の流れ

この路線は地方の振興や資源輸送を目的として、1941年に計画が開始されましたが、太平洋戦争の影響で工事が中断しました。戦後再開し、1950年には日頃市線が開業しました。その後、1957年には赤崎線が開通し、さらなる輸送の効率化が図られました。日頃市線は最初のうちは旅客営業も行っていましたが、経済的なつながりを求めた運営が続く中で、旅客輸送が難しくなり、1992年にその営業を終了しました。

現在の運行状況

赤崎駅および岩手石橋駅でのみ貨物が扱われており、それ以外の駅では基本的に信号場としての役割を果たしています。廃止された旅客路線の影響で、現在は地域の輸送手段がバスにほぼ完全に移行しましたが、国道107号が平行して通っているため、アクセスは依然として良好です。

関連情報と今後の展望

この二つの路線は、その独特な歴史や経済的背景を持ち合わせています。今後も貨物輸送は続けられると見込まれていますが、地域の特徴に応じたさらなる輸送形態の発展が期待されます。このように、大船渡市の産業支援の重要な役割を果たす日頃市線と赤崎線の今後の動向に注目が集まります。

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