岩泉駅

岩泉駅の歴史

岩泉駅（いわいずみえき）は、岩手県下閉伊郡岩泉町中野に位置していた、東日本旅客鉄道（JR東日本）の岩泉線の終着駅でした。この駅は1972年2月6日に開業し、長い歴史を持っていましたが、2014年の廃止までの道のりは、様々な変遷を経てきたものでした。

開業からの軌跡

開業当初、岩泉駅は簡易委託駅として機能しており、国鉄バス岩泉駅前駅の窓口扱いもされていました。1984年には荷物の扱いが廃止され、1987年に国鉄の分割民営化に伴い、JR東日本の駅となりました。その後、2000年にはJRバスの関連業務が廃止され、駅名も「JR東日本岩泉駅」に変更されました。この頃からも、駅の役割は変わらず維持されていきました。

2002年には東北の駅百選に選定され、駅舎は大規模な二階建てであり、岩泉町観光協会や岩泉商工会が併設されていました。これにより、地域の観光振興にも寄与していたのです。しかし、2010年には災害が発生し、岩泉線が不通となり、代行バス運行が始まりました。

廃駅へ

その他の歴史的出来事として、2008年には岩泉町によって駅舎の改修工事が行われ、2014年4月1日には岩泉線の廃止とともに岩泉駅も廃駅となりました。駅舎自体は解体されることはなく、現在でも岩泉商工会やJRバス東北により利用されています。観光協会は別の場所に移転したものの、地域にとっては重要な拠点であり続けたのです。

駅の構造と利用状況

岩泉駅はその独特な構造で知られており、列車が走る本数が少ない中でも非常に大きな駅舎でした。駅舎の二階に観光協会や商工会があるなど、様々な機能が集約されていました。構造的には単式ホーム1面1線を有しており、一見すると島式交換形のように見えますが、実際には駅舎側には線路が敷設されていませんでした。また、駅の利用は主に朝晩であり、日中は実際には係員が不在の時間帯も多くありました。

岩泉駅周辺は国の天然記念物に指定されている龍泉洞の最寄り駅であり、多くの観光客が訪れるスポットでもあります。最寄りの市街地へは徒歩やバス、タクシーでアクセスでき、便利な立地が魅力でした。

周辺交通

岩泉駅周辺には、多数のバス路線が運行しており、地元の住民や観光客の足を支えています。特に、岩泉消防署前には岩泉町民バスの停留所があり、龍泉洞や近隣の地域に向けたバスが発着しています。また、村営バスや他社の交通機関とも連携し、交通網が整備されていました。これにより、廃駅となった後も地域の生活支援に寄与しています。

しばしば訪れる静けさ

岩泉駅は周囲を緑に囲まれた静かな山間の駅として知られ、居心地の良い雰囲気が漂っていました。そのため、多くの人々が訪れ、地域の自然を楽しむことができた場所でもあります。今もなお、駅が持つ歴史的背景や、周辺の魅力は、訪れる人々に語り継がれています。

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