東北の駅百選

東北の駅百選について

東北の駅百選は、2002年に国土交通省東北運輸局により設立されたプロジェクトで、日本の東北エリアに位置する特徴的な鉄道駅を選出したものです。これは、「鉄道の日」の記念行事の一環として行われ、青森県、岩手県、秋田県、宮城県、山形県、福島県の各県から、個性的かつ魅力ある100駅が選定されました。この取り組みは、先に関東運輸局で実施された「関東の駅百選」に倣ったものであり、選定は各事業者からの自薦をもとに選考委員会が行っています。

東北の駅百選は、一般公募によらず、選定された駅が一度に発表される形式を取っており、他の「駅百選」との違いを際立たせています。この選定により、地域の文化や歴史を支える鉄道駅が注目され、観光資源としての価値も高まっています。特に、選定された駅の中には、その地域の特色や背景が色濃く反映されたものが多くあり、訪れる人々にとっては新しい発見と体験を提供します。

選定後の経過

2021年8月の時点で、選定駅のうち合計6駅が廃駅となり、さらに3駅は選定理由に挙げられた駅舎が消失するという事態が発生しました。これらの駅は、地域の交通機関として重要な役割を果たしていましたが、時の経過や自然災害によってその姿を変えていくこととなりました。

• - 2007年: くりはら田園鉄道線の廃止と同時に、細倉マインパーク前駅と若柳駅の2駅が廃駅になりました。
• - 2011年: 東北地方太平洋沖地震（東日本大震災）により、島越駅、大船渡駅、そして女川駅の3駅が津波の被害を受け、駅舎が消失しました。その後、島越駅は新しい駅舎に生まれ変わり、女川駅は内陸側に移設されました。夜ノ森駅は福島第一原子力発電所事故の影響で立ち入りが禁止され、2020年に営業が再開されました。
• - 2012年: 十和田観光電鉄線が廃止となり、十和田市駅もこの影響を受け廃駅となりました。
• - 2014年: 岩泉線も廃止され、その結果岩泉駅が廃駅へと至りました。
• - 2016年: 北海道新幹線の開業に伴い、海峡線の津軽今別駅が廃駅となる運命を辿りました。
• - 2019年: 長井駅が選定理由の一つであった駅舎が解体されました。
• - 2020年: 大船渡線の気仙沼-盛間の鉄道事業廃止により、大船渡駅も廃駅となりました。

選定駅一覧

東北の駅百選に選ばれた多くの駅は、各地域の魅力を伝える象徴的な存在です。選定された具体的な駅名の一部を挙げると、下記のような駅があります：

• - 角館駅（秋田県）
• - 盛岡駅（岩手県）
• - 仙台駅（宮城県）
• - 喜多方駅（福島県）
• - 弘前駅（青森県）
• - 大曲駅（秋田県）

選定駅は地域ごとの文化や歴史を反映しており、観光客にとっては地元の人々との交流の場でもあります。鉄道の魅力が詰まったこれらの駅は、その存在が地域全体の活気を生み出し続けています。

終わりに

東北の駅百選は、鉄道を通じて地域の魅力を発信し、さらには訪れる人々に新たな旅の感動を提供する重要な取り組みです。選定された駅は今後も多くの人々に愛され、地域の歴史を語り継ぐ場所であり続けることでしょう。

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